内臓が体外へ放出され… わずか1秒のミスが招いた史上最も凄惨な“爆発的減圧”、「バイフォード・ドルフィン事故」とは

海の底で起きた一つの人為的ミスが、歴史に残る「最も凄惨な死」を引き起こした。
北海で稼働していた石油掘削リグ「バイフォード・ドルフィン」で発生したこの事故は、一瞬にして5人の命を奪い、1人に重傷を負わせる大惨事となった。
1983年11月、イギリス人とノルウェー人のダイバー4名と、ダイブテンダー(支援員)2名からなるチームが深海潜水任務に従事していた。彼らは水深約90メートルでの作業を安全に行うため、「飽和潜水」と呼ばれる技術を用いていた。これは、体内の窒素レベルを調整し、減圧症を防ぐために特殊な加圧チャンバー内で28日間生活するというものだ。
一瞬のミスが招いた「爆発的減圧」の恐怖
事故は、ダイバーたちが作業を終え、移送用カプセル(ダイビングベル)から居住用の加圧チャンバーへ戻る際に起きた。通常であれば、移送用カプセルとチャンバーを密閉し、徐々に圧力を調整する手順が必要だった。しかし、外部のダイバーによる操作ミスで、減圧が完了する前に移送用カプセルの固定が外されてしまったのだ。

その瞬間、9気圧に保たれていたチャンバー内の圧力は、わずか数分の一秒で1気圧へと急降下した。この「爆発的減圧」により、チャンバー内の空気は凄まじい勢いで噴出し、移送用カプセルを弾き飛ばして支援員1名を即死させた。さらに恐ろしいのは、チャンバー内にいた3人のダイバーたちだ。血液中の窒素が一瞬で気泡化し、彼らの体は内側から沸騰したような状態となり、原形を留めないほど破壊されたという。

隙間から吸い出された肉体
最も悲惨だったのは、半開きになったドアの近くにいたダイバー、ヘルレヴィクだ。急激な圧力差により、彼の体は幅60cmしかない隙間から無理やり吸い出された。その衝撃で彼の内臓は体外へと放出され、遺体はバラバラになってリグのあちこちに散らばったという。検死報告書には、「頭蓋骨の上部と脳が欠損しており、顔の軟部組織は骨から完全に剥離していた」と記されている。

この事故の背景には、エンジニアリング上の欠陥もあった。当時のシステムは1975年製と古く、加圧中に誤ってハッチが開くのを防ぐ安全装置(インターロック機構)が備わっていなかったのだ。
この事故は、極限環境での作業がいかに危険と隣り合わせであるか、そして些細なミスがどれほど取り返しのつかない結果を招くかを、残酷なまでに示している。
一瞬にして命を奪われた5人の男たち。彼らの壮絶な最期は、エネルギー産業の発展の陰に、命がけで働く人々の尊い犠牲があったことを物語っている。
参考:EXPRESS、ほか
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2024.10.02 20:00心霊内臓が体外へ放出され… わずか1秒のミスが招いた史上最も凄惨な“爆発的減圧”、「バイフォード・ドルフィン事故」とはのページです。石油、掘削、減圧症などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで