ダークウェブで見つかった暗殺標的者名簿「デスリスト」… 研究者が標的に連絡してみた結果

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 いわゆる“ダークウェブ”には暗殺の標的になっている人物の名前が記載された名簿「デスリスト」が存在するという。このデスリストを入手した研究者の身に起きたこととは――。

■暗殺標的者名簿「デスリスト」とは?

 イギリスの研究者、カール・ミラー氏は長年にわたり、インターネットの闇を深く掘り下げ、ダークウェブと呼ばれる匿名空間の仕組みを解明しようと努めてきた。ある調査で、彼は自身のキャリアの中で最も衝撃的な体験をしたと語っている。

 非営利のプレゼンテーション「TED Talks」に登壇したミラー氏は一種の「デスリスト(death list)」を管理するウェブサイトを見つけたと話している。そのリストには、ユーザーが殺してほしい人の名前と、その犯罪に支払ってもよい金額が記されていた。

 彼は内容を読んだ時の衝撃を過不足なく語っている。

「これまでの人生で読んだ中で、最もグロテスクで、不快で、不気味で、恐ろしい内容でした」(ミラー氏)

 彼によれば、そのリストに連なる名前はどんどん増え続けていたという。

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カール・ミラー氏 画像は「YouTube」より

 この発見は、COVID-19パンデミックの真っ只中のことであった。数カ月にわたる隔離生活の後、彼が最初に直接会ったのはロンドン警視庁の警官2人だった。ミラー氏は収集した情報をすべて整理し、警官たちに提示した。

「私は全てを説明しました。ウェブサイトを見せ、(ダークウェブへの)侵入の様子を見せ、要求内容も見せ、ウェブサイトの仕組みを図解しました。すると彼らは私が気が狂ったのではないかと本気で心配していました」(ミラー氏)

 ミラー氏の情報提供に警察は動かなかった。

 警察の支援がなくても、ミラー氏はこの状況を無視することはできないと感じていた。人々が本当に危険にさらされている可能性があったため、リストに載っている人々に直接連絡を取ることにしたのだった。

 ミラー氏は殺害の標的とされる人物に電話をかけ、誰かが金を払ってあなたの殺害を依頼しているのだと伝えた。最初に電話に出た男性は意外なこと「構いません」と答えだけだったという。

 ミラー氏は1週間にわたって電話をかけ続けたが、ほとんどの者は電話を切るか、あるいは単に話を信じなかった。

 ミラー氏は地元のジャーナリストに助けを求め報道機関の協力を得て、ようやく事態が進展しリストに載っていた一部の人々は話を真剣に受け止めるようになったという。

 さらに調査を進めると「デスリスト」は一筋縄ではいないものであることもわかってきた。

 プラットフォームの機能について詳しく調査した結果、ミラー氏は重要なことに気づいた。舞台裏でプロの殺し屋が暗躍しているわけではなかったのだ。

 このウェブサイトは、誰かを処刑することに真の関心を持っていたわけではなく、犯罪行為を依頼した者からさまざまな理由をつけて金銭をゆすり取ることを目的としていたのである。

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「そこに影の暗殺者などいないことは明白でした。ウェブサイトは依頼した人々からできるだけ多くの金を搾り取ろうとしていたのです」(ミラー氏)

 もちろんこのビジネススキームを知らない依頼者は、本当に殺し屋を雇えるのだと信じ切っていたという。

「依頼した人たちは誰かを殺そうと本当に真剣でした」(ミラー氏)

 この「デスリスト」は実際には巧妙な詐欺であった。それはインターネットの闇の片隅で流通するコンテンツの種類、そして匿名性によって守られていると信じた人々がどれほど非道な行為に及ぶのかについて興味深い洞察を提供するものでもある。

 実際に誰かに殺意を抱いている依頼者のリストのほうが、皮肉にも警察にとって“危険人物リスト”として意味を持つことにもなりそうだ。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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