【UFO誘拐史】光線を浴びて消えた男から、記憶を消された夫婦まで…… 米老舗科学誌が選んだ歴史的UFO遭遇・誘拐事件6選

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 科学系クオリティマガジンの「Popular Mechanics」がUFOについての記事を掲載している。同誌によればこれまでのUFO事件史で注目すべき6つの事例があるという――。

■ヒル夫妻誘拐事件:1961年

 1961年9月19日夜、車で自宅へ向かっていたバーニーとベティ・ヒル夫妻は、上空から降下してくる光を放つ謎の飛行物体を目撃した。かなり奇妙な飛行物体で、近くの近くの野原に着陸したように見えたので車を路肩に停め、様子を見に行くと、驚くべきことに葉巻型UFOと人影が見えたのだった。

 ヒル夫妻は午前5時に無事に帰宅したのだが、当初の見込みでは遅くとも午前2時台までには帰宅していたはずだった。帰路のドライブ中の2時間ほどの記憶が失われていたのである。

 約1年後、バーニーとベティは催眠療法を受け、あの恐ろしい夜の出来事を鮮明に思い出し、二人は宇宙人に誘拐され、宇宙船内で検査を受けた後、解放されたと確信したのだった。

 このヒル夫妻誘拐事件は広く報道された最初のエイリアン・アブダクション事件であるとされている。

■ロニー・ザモラ事件(ソコロUFO事件):1964年

ザモラの主張に基づいたUFOの想像図 By JMKOwn work, using New Mexican desert – panoramio.jpg by M Thomson, Creative Commons Attribution 3.0 Unported license., CC BY-SA 3.0, Link

 1964年4月24日、ニューメキシコ州ソコロの保安官、ロニー・ザモラが車でパトロール中、轟音と共に青とオレンジ色が混ざった炎を目撃。

 急いでその現場に車を走らせたところ。卵型で窓のない輝く物体と白い作業服の2人の姿を認めた。その後すぐに物体から怪音が発生られ、素早く機体内に乗り込んだ2人と共に上空へ飛び去った。地面には焼け焦げた跡が残っており、その地域を旅行していた少なくとも5人の観光客が、奇妙なUFOが飛行しているのを目撃したと報告している。

 ロニー・ザモラ事件あるいはソコロUFO事件とも呼ばれるこの出来事は、UFO搭乗者の目撃を伴う事件であり「第3種接近遭遇例」と分類された。

■パスカグーラ事件:1973年

 1973年10月11日、ミシシッピ州パスカグーラで釣りをしていた42歳のチャールズ・ヒクソンと19歳のカルビン・パーカー・ジュニアの2人が、UFOに誘拐されたと証言した。彼らは楕円形のUFOと象のような皮膚を持つ身長6フィート(約182cm)の生物を目撃し、宇宙船内で検査を受けたと説明した。UFO研究家や地元当局がこの証言を信じ、嘘発見器検査にも合格したため「史上2番目に有名なUFO誘拐事件」として知られている。

 しかしヒクソンの証言に若干の矛盾があり、パーカー・ジュニアが一時意識を失っていたことも検証を難しくしている。懐疑的探求委員会(CSI)の上級研究員、ジョー・ニッケル氏は、真実か捏造かの二分法は誤りだと指摘。事件前の飲酒と居眠り、その後の入眠時幻覚(覚醒夢)により、宇宙人などの幻覚を経験した可能性を示唆している。

■トラビス・ウォルトン事件:1975年

 トラビス・ウォルトン事件は、1975年にアメリカの林業作業員、トラビス・ウォルトンがUFOに遭遇し行方不明になったとされる事件だが、UFO愛好家の間でも捏造と考えられている。ウォルトンは青い光線を浴びて消失し、8日後に発見された。母親の不自然な反応や、発見時の薬物使用の痕跡から、事件の信憑性が疑われている。

 ウォルトンはエイリアン・アブダクションを主張し「National Enquirer」紙に独占インタビューを提供した。ポリグラフ検査では「重大な嘘」と判定されたが、ウォルトンは光線で意識を失い、宇宙船内で生物に診察されたと述べた。この話は国際ニュースとなったが、航空宇宙ジャーナリストのフィリップ・J・クラスは物的証拠の欠如を指摘。医師の身体検査でも損傷は確認されず、肘の針跡のみであった。

 クラスはウォルトンが職場への遅刻が確実視されたことで、テレビでヒル夫妻の事件を知っていたことからアブダクション事件を偽装し、契約不履行の罰金回避が動機だったと主張している。

■アラガッシュ誘拐事件:1976年

 1976年の夏の夜、ボストン出身の4人の美術学生(ジャック・ワイナー、ジム・ワイナー、チャック・ラク、チャーリー・フォルツ)がメイン州北部のアラガッシュ原生水路にマス釣りのためにカヌーを出して漕ぎ始めたところ、入り江の上空60~90メートルに大きな明るい球体が音もなく静止して浮かんでいるのを目撃した。

 木々の梢の上空に浮かぶ楕円形の発光体は彼らに接近して光線を照射してきた。光を浴びて恐怖した彼らはキャンプへと急いで漕いで戻った。

 カヌーを漕ぎだして急遽ここに戻って来るまでせいぜい20分程度と彼らは感じていたが、出発時には薪でいっぱいだった焚き火は燃え尽きる寸前になっており、時間の経過に矛盾が生じていた。

 1989年、4人は催眠療法士のファウラーに助言を求めた。ファウラーは催眠療法を通じて彼らから証言を引き出し、4人全員が光線でUFOに移送され、宇宙人に精神支配されたストーリーを報告した。懐疑論者はこれらの記憶は映画などからの偽りの記憶だと指摘しているが、4人主張を撤回していない。

■フレデリック・ヴァレンティッヒの失踪:1979年

 1978年10月21日、20歳のパイロット、フレデリック・ヴァレンティッヒがオーストラリア・メルボルン上空で訓練飛行中、航空管制に不可解なメッセージを送信した。上空約300メートルに4つの明るい光を放つ未知の飛行物体を目撃し「航空機ではなく、細長い形で速度が計測不能」と報告。その後、物体が静止し、自分の真上を周回していると述べた。

 ヴァレンティッヒはセスナ機の不調を報告し、最後のメッセージで「それは航空機ではない」と発信したのを最後に音信不通となった。

 彼の父親はUFOに連れ去られたのだという説を主張し、オーストラリア空軍もこの時に11件のUFO目撃報告を受けていたが、運輸省は「確証バイアス」に過ぎないと一蹴した。運輸省職員はヴァレンティッヒが方向感覚を失い、自分のライトが水面に反射するのを見た可能性を推測している。彼のセスナ機の痕跡は未だに何も発見されていない。

参考:「Popular Mechanics」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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