JFK暗殺に関する新文書公開——隠された真実は明らかになったのか?

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画像は「Wikipedia」より

 1963年11月22日、アメリカ第35代大統領ジョン・F・ケネディがダラスで銃弾に倒れた。この事件はアメリカ史上最大のミステリーの一つとされ、多くの陰謀論を生み出してきた。そして2025年3月18日、トランプ政権はJFK暗殺に関する約8万ページもの機密文書を公開した。60年以上にわたる情報の秘匿が解かれたことで、新たな証拠が見つかるのではないかと期待が高まったが、果たしてその結果はどうだったのか。事件の通説は覆されたのか、CIAやFBIの関与は証明されたのか。

暗殺の通説を覆す決定的証拠は見つからず

 JFK暗殺をめぐっては、「リー・ハーヴェイ・オズワルド単独犯行説」と「複数犯・陰謀説」が長年対立してきた。今回の文書公開で、新たな視点が加わるのではないかと期待されたが、専門家の初期分析によれば「事件の本質を覆すような証拠は発見されていない」とされる。オズワルド以外に狙撃手がいた証拠や、彼が誰かと共謀していた確実な記録は含まれていなかった。

 公開された資料には、オズワルドが暗殺の2か月前にメキシコシティを訪れ、ソ連およびキューバの大使館と接触していたことを裏付ける情報が含まれていた。この事実は以前から知られていたが、今回の資料によってCIAがこの動きを事前に把握し、盗聴まで行っていたことがより詳細に明らかになった。しかし、これが暗殺の共謀を示す証拠なのか、それとも単なる個人的な行動だったのかは依然として判断が難しい。FBIもオズワルドに関心を寄せていたものの、彼を危険人物としては十分認識していなかったことが、新たな文書で確認されている。

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オズワルドが銃撃される瞬間 画像は「Wikipedia」より

 また、暗殺後のソ連側の反応を記録した文書では、KGBが「この暗殺はアメリカ国内の極右勢力によるクーデターではないか」と疑っていたことが示されている。さらに、KGBはオズワルドの射撃技術に疑念を抱いており、「彼はそれほど優れた射手ではない」と評価していたことも分かった。これは、オズワルド単独犯行説に対する一つの論点となるかもしれないが、実際に彼以外の共犯者がいたことを示す証拠は依然として見つかっていない。

CIA・FBIの関与と隠蔽の実態が明らかに

 今回の公開文書で特に重要なのは、CIAやFBIがJFK暗殺にどのように関与し、またどの情報を隠していたかという点だ。

 CIAはオズワルドがメキシコシティでソ連およびキューバの大使館を訪問した際、その通話を傍受し、監視していた。しかし、その情報はFBIには十分に共有されず、結果的に事件の防止にはつながらなかった。さらに、事件直後の混乱の中でFBI内部で重要な証拠が意図的に破棄された可能性も指摘されている。新たに公開された記録には、FBIのダラス支局がオズワルドに関する報告をすぐに本部へ送らず、また一部の捜査資料を廃棄したことを示すメモが含まれていた。これは、FBIが自らの失態を隠すために情報を操作した可能性を示唆するものである。

 また、CIAがウォーレン委員会に対して一部の記録を提出しなかったことが改めて判明した。さらに、CIAがキューバでの秘密工作を隠蔽するため、JFK暗殺事件に関する一部の情報を「別の事件に関する機密」として分類していたことも明らかになった。このような対応が、事件の真相をより不透明にし、多くの陰謀論を生み出す要因となったことは間違いない。

ジャック・ルビーと犯罪組織の関係

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ジャック・ルビー 画像は「Wikipedia」より

 公開された文書の中には、オズワルドを射殺したジャック・ルビーと犯罪組織とのつながりを示す新たな証拠が含まれていた。ルビーはこれまで「衝動的にオズワルドを殺害した」とされてきたが、今回の資料では彼がダラスやルイジアナのマフィアと関係を持っていたことが明らかになった。

特に、FBIの報告書には「ルビーが暗殺前後に複数の犯罪組織関係者と接触していた」ことを示す記録が含まれている。彼は事件の直前にマフィアのボスと電話をしていたことが確認されており、これは単なる偶然とは考えにくい。さらに、ルビーの資金の流れを分析した記録では、彼が暗殺前に大金を動かしていたことが分かっている。

この新たな情報は、JFK暗殺が単なる個人の犯行ではなく、組織的な計画の一部だった可能性を示唆している。

CIAの内部分裂と「JFK暗殺の真相を知っていた男」

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画像は「Espacio Misterio」より

 新たに公開された文書の中で、最も衝撃的なのはCIA元職員ゲイリー・アンダーヒルに関するメモかもしれない。アンダーヒルはCIAの諜報活動に深く関与していたが、JFK暗殺の翌日に突然ワシントンを離れ、ニュージャージーの友人宅に避難していたことが新たに判明した。彼は極度に動揺しており、「CIA内部の特定の派閥がケネディを殺した」と主張していたという。

 機密解除されたメモによれば、アンダーヒルは友人のシャーレン・フィッツシモンズに次のように語った。

「オズワルドは罠にかけられた。彼はただのスケープゴートだ。CIAの一部の連中が恐ろしいことをやった。大統領を殺したんだ! 俺は彼らがやるとは思わなかったが、やりやがった!」

 さらにアンダーヒルは「自分はCIA内部の犯人を知っているが、それがバレれば命はない」と恐怖に怯えていたという。そして1964年5月8日、彼はワシントンの自宅で頭を撃ち抜かれた遺体となって発見された。公式の死因は「自殺」とされたが、暗殺の真相を語っていたことから「口封じのためにCIAが彼を殺害したのではないか」との疑念が根強く残っている。

JFKとUFO——極秘文書が示す驚愕の関連性

 今回の文書公開ではJFKのUFOに対する関心についても新たな情報が明らかになった。JFKはCIAに対し、UFO関連の極秘ファイルを開示するよう求めていたことが確認された。特に注目されるのは、JFKがCIA長官ジョン・マコーン宛に送った極秘メモである。この文書には「未確認飛行物体(UFO)に関する最新情報を報告せよ」との指示が含まれており、JFKが地球外生命や先進技術に関心を持っていたことを裏付ける内容となっている。しかし、このメモが送られた10日後にJFKは暗殺された。

 この事実が意味するのは何か? 一部の研究者は「ケネディがUFO情報を公表しようとしていたために暗殺された」と主張している。CIAや軍産複合体(Military-Industrial Complex)は、UFO技術の独占を狙い、その情報を極秘扱いにしてきたとされる。もしJFKがこれを公表しようとしていたのなら、それは「排除すべき脅威」と見なされた可能性もあるかもしれない。

 今回のJFK暗殺文書公開は、多くの歴史的資料を明らかにしたものの、事件の通説を根本から覆すものとはならなかった。しかし、CIAやFBIの動き、オズワルドの国外での行動、ジャック・ルビーと犯罪組織の関係など、新たな事実がいくつか浮かび上がったことは確かである。60年の時を経てもなお、JFK暗殺は完全に解決されたわけではない。しかし、この膨大な資料が今後の研究や議論の礎となり、新たな視点が加わることは間違いない。歴史の謎は、一度の文書公開ですべてが解決するものではない。むしろ、真実への道のりは、これからが本当の始まりなのかもしれない。

参考:JFK Assassination RecordsThe New York Times、ほか

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