ビル・ゲイツが「人間保護区」の必要性を提案。AIによる生物兵器開発と仕事の強奪…… 最悪のシナリオへの警告

元マイクロソフトCEOで慈善活動家のビル・ゲイツ氏が人類にとって過酷なAI時代の到来を宣告し、“人間保護区”の設置を提唱している――。
■ゲイツ氏「狂気じみた激動のAI時代が到来」
新たな生物兵器や爆弾を開発し、パンデミックを引き起こして人類に解き放つ可能性のある「狂気じみた」AIの激流に対してビル・ゲイツ氏が警鐘を鳴らしている。
8月26日、自身のブログで「激動のAI時代が到来しました。今、私たちが下す選択は極めて重要です」と題したエッセイを投稿し、AIは人間が制御できる速度をはるかに超えて発展していると警告している。
彼はロボットがすべてを担うようになる前に、医師や介護士といった「人間が担うべき」仕事を確保することで、世界経済を守る必要があると主張している。
「AIはこれまで発明された中で最も偉大な平等化装置となるか、あるいは最悪の不正義の源となるかのどちらかです」(ゲイツ氏)
「たとえ最良の状況下であっても、この新たなAI時代への移行は、人類史上最も激動の時代の一つとなるでしょう」(ゲイツ氏)
AIは爆発物、生物兵器、自律型兵器、コンピュータウイルスを作成するための必要なあらゆるツールを備えており、人間の許可なしにそれらを利用できるようになる可能性があるとゲイツ氏は警告する。
「AIは医薬品やワクチンの開発において人命を救う進歩をもたらすでしょうが、同時に致死性の高い新たな病気を設計することも容易に行うでしょう」(ゲイツ氏)

これまでゲイツ氏は、AIが医療や世界の食料生産にもたらす恩恵を賞賛してきた人物だった。しかし昨今のAIの急速な進歩によって態度を一変させている。
「私が今述べたリスクはすべて、AIが現在比較的権力を持たない悪意のある人物に力を与えることに関するものです。そして同じツールは、既に権力が存在する場所で権力を集中させることにもつながります」(ゲイツ氏)
AIによって世論操作と人々の監視は、より簡単かつ安価になり、効果も高まるという。そして幼少期からAIに依存することで人間関係はますます希薄化していくというのだ。
そしてAIが人間のほとんどの仕事を奪うという。
「AIは法律、顧客サービス、医療、ソフトウェア、製造業といった分野の仕事を担うようになるでしょう。数世代ではなく、わずか10年ほどでこれらの業界に急速に浸透していくはずです」(ゲイツ氏)
彼はAIから保護された人間専用の仕事の導入を強く訴え、膨大な数の仕事が永久に失われることを懸念し、“人間保護区”を設置することを提案している。
「私は“人間保護区”という表現が好きです。なぜなら、自然保護区を連想させるからです。そこは建物や道路を建設することもできる場所ですが、損失が大きすぎるため、あえてそうしないのです」(ゲイツ氏)
今年7月にはOpenAIが開発中のAIエージェントが、テスト環境の脆弱性を突いて外部の別企業のシステムへ不正侵入したことがニュースになっているが、今後はゲイツ氏の指摘のようにAIに任せる仕事と、人間がし続けていかなければならない仕事を明確に分ける必要があるのかしれない。
参考:「Metro」ほか
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