ギザのピラミッド地下に眠る″巨大地下構造物”は幻だった!? ピラミッド探査論文、方法論の欠陥で正式撤回

2025年3月、エジプトのギザ台地に立つカフラー王のピラミッドの地下深くに、地表から648メートルも下降する8本の巨大な円筒形シャフトと、その先に広がる立方体状の構造が眠っているという発表が世界を駆け巡った。
「地下都市」「失われた文明の痕跡」とまで囁かれ、SNSとオカルト界隈は大いに沸き立った。
だが、その根拠となった論文は2026年8月10日、掲載誌によって正式に撤回された。世界を騒がせた発見は、いったい何だったのか。
合成開口レーダーが暴いた「20の隠し部屋」——発端は2022年の論文
事の発端は2022年にさかのぼる。イタリア人研究者のフィリッポ・ビオンディ氏とコラード・マランガ氏は、学術誌『Remote Sensing』に一本の論文を発表した。
二人は「合成開口レーダー・ドップラートモグラフィ」と呼ばれる衛星観測技術を用いれば、地表を一切掘削せずにクフ王の大ピラミッド内部の構造を可視化できると主張。廊下や部屋、斜路とみられる合計20の「隠れた特徴」を検出したと報告した。
この段階ではまだ大きな異論は目立たず、論文は静かに考古学界とオカルトファンの双方から引用され続けていた。

「地下都市」説に火をつけた2025年3月の発表
転機となったのは2025年3月だった。ビオンディ氏らは同じ手法をクフ王の隣に立つカフラー王のピラミッドに応用し、地下へ648メートルも垂直に伸びる8本の円筒形シャフトと、その先に広がる立方体状の構造を検出したと発表した。
この報告は瞬く間に世界中のメディアとSNSで拡散され、「ギザの地下に失われた文明の遺構が眠っている」との憶測を呼んだ。
一方で、考古学者の間では発表当初から懐疑的な声も少なくなかった。元エジプト考古大臣のザヒ・ハワス氏は、この主張を裏付ける科学的証拠が存在しないと繰り返し批判。デンバー大学のローレンス・コニャーズ教授も、レーダーセンサーはあくまで直接視認できる範囲でしか測定できないという技術的限界を指摘し、衛星が検出できるほどの振動をピラミッド内部の構造が生み出すとは考えにくいとの見解を示していた。

専門家が突き止めた「深刻な方法論の欠陥」、そして撤回へ
こうした批判の高まりを受け、『Remote Sensing』誌は読者から寄せられた方法論への懸念を精査した。
そして2026年8月10日、データの統計的処理に深刻な誤りがあったことを確認し、論文の正式撤回に踏み切った。なお、同誌はデータの改ざんや研究不正までは認定していない。あくまで手法上の誤りが撤回理由とされている。
撤回は、地下に何もないことを証明したわけではない。ビオンディ氏らが用いた観測手法そのものが全否定されたわけでもなく、今回のデータ解析に誤りがあったという判断にとどまる。
ギザの地下に本当に未知の空間が眠っているのか、それとも壮大な見間違いだったのか。真相はまだ闇の中にある。少なくとも、4500年前の建造物が今なお最新技術に挑む研究者たちを翻弄し続けているという事実だけは、揺るがないようだ。
参考:Newsweek、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ギザのピラミッド地下に眠る″巨大地下構造物”は幻だった!? ピラミッド探査論文、方法論の欠陥で正式撤回のページです。エジプト、ピラミッド、地下都市、構造物などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
