マイクロソフトの社内文書も認めていたAIの「破滅のループ」!? ニュース、音楽、就活、教育まで蝕む負の連鎖

AIが便利になるほど、AIを支えてきた土台が崩れていく。そんな皮肉な構造が、いま経済のあちこちで同時多発的に起きているという。
しかも、その危うさを書き留めていたのはAI批判派だけではなかった。ChatGPTブームに乗って製品を次々と投入した、マイクロソフト自身の社内文書にも記されていたのだ。
「破滅のループ」を自ら認めたマイクロソフト社内文書
発端は、米ニューヨーク・タイムズ紙がマイクロソフトとOpenAIを相手取って起こした著作権訴訟だ。黒塗りが解除された訴訟資料や証言録取書から、同紙の弁護団が引用した社内文書の存在が明らかになった。
文書によれば、マイクロソフトは自社のAIコンテンツ戦略が「破滅のループ」を始動させてしまい、自社モデルの性能とウェブ全体の両方を損なうおそれがあると認識していた。最終製品が、欠かせない供給元の経済基盤を脅かすのは極めて異例だが、自分たちは大規模言語モデル事業でまさにその状況をつくり出した、という趣旨の記述もあるという。
さらに別の文書では、大規模モデルが人々の仕事を根こそぎ吸い上げることを、世界中の何百万人もが前代未聞の盗用と受け止めるようになるだろう、との見通しまで示されていた。
ニュースから映画まで「20万件超」の雇用が消えた
ループが最もわかりやすく現れているのが報道の世界だ。記者はこれまで、ネット上のプラットフォームが読者を運んでくれる前提で記事を書いてきた。
ところがChatGPTやGeminiは記事を要約して答えるだけで、読者を元のサイトへ送らない。収益を失った媒体は取材費を削り、新しい記事が減れば、AIが学ぶべき素材も枯れていく。まさに自分の尾をのみ込む蛇のような構図で、独立系メディアや地方局は存続の危機に直面しているとされる。
同じ流れは創作分野全般に及ぶ。米労働統計局の最新データでは、ChatGPT登場からおよそ4年で、クリエイティブ系の職が20万件以上失われたという。
音楽配信ではAI生成の楽曲が人間の作品を急速に押しのけ、各プラットフォームは線引きに追われている。ハリウッドでもスタジオがAI活用を強める一方、俳優たちは自分の声や容姿が無価値になりかねないと危機感を募らせている。
就活と教室で起きる「AIがAIを呼ぶ」悪循環
就職市場もループと無縁ではない。追い詰められた求職者はAIで履歴書を磨き、AI搭載の応募システムを攻略しようとする。採用担当者の手元には、ほぼ同じ内容の応募書類が山のように積み上がる。
採用管理システムを手がける米グリーンハウス社のダニエル・チェイトCEOは、米誌Wiredの取材に対し、双方が自分の問題をAIで解決しようとして、かえって問題を悪化させていると指摘した。AIの利用がさらなるAI利用を呼び、誰も得をしないまま事態が悪化していく状況だという。
教育現場も深刻だ。生徒は宿題をAIに任せ、教師もAIで課題を作る。人間が考える過程そのものが、教室から少しずつ消えつつある。
米ブルッキングス研究所のユニバーサル教育センターは、教育での生成AI活用はリスクが利点を大きく上回るとの結論を出したと米NPRが報じている。大学生の読解力が急速に落ちていると警告する教育者もいる。
一方、OpenAIとマイクロソフト側は、AIの出力は元の著作物と十分に異なり、米著作権法の「フェアユース」に当たると主張している。この理屈が法廷で通るかはまだわからない。ただ、アンソロピックが著作権侵害をめぐり数十億ドル(数千億円規模)の和解に応じた前例もある。
仮に裁判に勝てたとしても、記事も音楽も授業も人間が生み出さなくなった世界で、AIは次に何を学べばいいのか。その問いに答えられる企業は、まだ一社もない。
参考:Futurism、404 Media、Wired、NPR、Brookings Institution、ほか
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2024.10.02 20:00心霊マイクロソフトの社内文書も認めていたAIの「破滅のループ」!? ニュース、音楽、就活、教育まで蝕む負の連鎖のページです。マイクロソフト、破滅、AI、ChatGPTなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで