実在しないインフルエンサーの急増で「死んだインターネット理論」が現実味

SNSで人気を集めるあのアカウントの「中の人」が、実はどこにも存在しないとしたら。今、インスタグラムなどで生成AIが作り出した架空のキャラクターが次々と大量のフォロワーを獲得している。
その光景を前に、ネット上では「死んだインターネット理論」がついに現実になりつつあるのではないか、という懸念が広がっている。
ネットの住人はほとんどボット?「死んだインターネット理論」とは
死んだインターネット理論とは、SNSをはじめとするネット上のトラフィックの大半は、実は生身の人間同士のやりとりではないとする考え方だ。
この説によれば、通信の多くはボットやAIアカウントが占めており、それらが互いの投稿に反応し合うことでメッセージやトラフィックを生み出しているという。人間はアルゴリズムが差し出す「生成されたコンテンツ」と主に向き合っているにすぎず、その意味でインターネットは「死んだ」とされる。
単なる与太話で片づけられない理由もある。SNSを中心とするネットの多くは広告収入で支えられてきた。広告を見ている相手が本物の人間だと保証できなくなれば、そのビジネスモデル自体が揺らぎかねない。
もっとも、理論自体は目新しいものではない。ボット同士がSNS上で投稿をやりとりする光景は、数年前から見られてきた。ただ生成AIの登場により、人間が一度も画面に登場せず、撮影すらしないまま、アカウントを手早く立ち上げられるようになった。ここが従来とは次元の違うところだ。
名前の意味は「人間を愛する」、エッフェル塔の前でシャドーボクシングする男
代表格として注目されているのが、インスタグラムで約23万8000人のフォロワーを集める「Jean Philanthrope(ジャン・フィラントロープ)」というアカウントだ。皮肉なことに、その姓には「人間を愛する」という意味がある。
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動画に登場するのは、ブリーチしたような金髪のボブヘアに、くるりと巻いた口ひげ、ツイードのスーツという出で立ちのAIキャラクター。AIで生成されたエッフェル塔や美術館、レストランを背景に、彼は決まってシャドーボクシングを披露する。
さらには「ライバル」まで出現した。「Archibald Brown(アーチボルド・ブラウン)」というアカウントで、こちらはイギリス人風に設定されたキャラクターが、やはりAI生成の風景の中でシャドーボクシングを繰り返している。実在しない男たちが、実在しない場所で、見えない相手と拳を交わしているわけだ。
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「インフルエンサーは死んだ」、サム・アルトマンも認めた異変
こうしたアカウントの量産は難しくないという声もある。ある人物は、AIでキャラクターの設定資料を作り、それを動画生成AIに読み込ませれば動画が次々と出来上がると説明し、インフルエンサーはもう死んだとまで主張した。X(旧Twitter)ではユーザーの@simonecanciello氏が、AIキャラクターを作れば1週間で20万人のフォロワーを得られるとして、この理論は本当だったと投稿している。
実際、これらのアカウントはアルゴリズムに後押しされて急成長しているようだ。ジャン氏のコメント欄にはAI生成だと指摘する声も多いが、AIだと気づいていない様子の人や、AIでも気にしないと答える人もいる。
異変を感じているのは一般ユーザーだけではない。OpenAIのサム・アルトマンCEOは2025年、死んだインターネット理論をそれほど真剣に受け止めたことはなかったが、今ではLLM(大規模言語モデル)が運営するXアカウントが本当に大量にあるようだ、という趣旨をX上に投稿している。生成AIブームの旗振り役自身の言葉だけに、その重みは小さくない。
コメント欄でAIだと見抜く人間がいる限り、ネットはまだ完全には死んでいない。だが、その「見抜くコメント」自体がボットの書き込みではないという保証は、もうどこにもないのだ。
参考:LADbible、ほか
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2024.10.02 20:00心霊実在しないインフルエンサーの急増で「死んだインターネット理論」が現実味のページです。キャラクター、Instagram、インフルエンサー、デッドインターネット理論、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで