2026年が世界の終末…?60年前の恐ろしい予言が間近に迫る!人類は自滅するのか

 世界の終末は2026年に訪れるのか――。科学界に多大な影響を及ぼした物理学者の不吉な“予言”に再び注目が集まっている。

■天才物理学者が導き出した“人類滅亡の日”

 物理学と生物学を融合した重要な概念である「二次サイバネティクス(Second Order Cybernetics)」を提唱して科学界に大きな影響を及ぼしたハインツ・フォン・フェルスター(1911-2002)は生前に不吉な言及を行っている。

ハインツ・フォン・フェルスター 「Daily Star」の記事より

 1960年にフェルスターは過去2000年の人口動態の傾向が今後も続くと、世界の人口は約2026年に無限大になることを説明した記事を「Science」で発表した。

「その日、N(人口)が無限大になり、賢い集団が自滅します」とフェルスターは述べ、“その日”の具体的な日付は2026年11月13日の金曜日であると特定したのだ。なんとあと3年後に迫っている。

“13日の金曜日”という不気味さもあってかこのフェルスターの計算は「終末方程式(doomsday equation)」と呼ばれるようになり、一部で世界の終末の日として意識されるようになったのである。

 その当時は“人口爆発”の問題が取り沙汰されはじめた時期で、増え過ぎた人類に地球上の食糧供給が追いつかなくなるのではないかと科学者たちが懸念していたこともあり、この「終末方程式」は“人類滅亡シナリオ”として当時の人々に大きなショックを与えた。

 はたして2026年11月13日に人類は滅亡するのか? フェルスターはこの日付は文明がいつ終焉を迎えるかを正確に算出したものというよりも、方程式の説明を目的としたものであるとすぐにコメントして誤解を晴らそうとした。

 あくまでも緻密な計算によって導き出された世界人口の「無限大」への到達日時であり、フェルスターは各種の政策への警鐘として受け止められることを望んでいたということだ。

 フェルスターの「終末方程式」は少なくとも1990年代初頭まではきわめて正確であったことが証明されているということだが、その後から計算に狂いが見られるようになったということは、人類文明は僅かずつではあるが“進化”して滅亡を回避しようと動いているのかもしれない。

 フェルスターは「人間の環境は『自然の力』の影響をますます受けなくなり、人間の裁量による社会的な力の影響がますます大きくなっているため、人間は自らの運命をコントロールできるようになる」と言及している。

 つまり2026年11月13日は、それまでは地球上の一生物であった人間が、自然を克服したある種の“超人”に進化する日でもあるということになる。とすれば進化した人類はこの“滅亡シナリオ”を克服する力をその時までには携えていてもおかしくはない。人類にはまだ希望が残されていることを信じたいものだ。

「Daily Star」の記事より

■マスク氏「現時点での最大の脅威は超低出生率」

 しかしフェルスターの見解に真っ向から異議を唱える人々もいる。その中の意外過ぎる1人がイーロン・マスク氏だ。

 マスク氏は出生率が高すぎるのではなく、低すぎるために人類が滅亡する可能性があるとこれまでもに繰り返し述べている。人口減少こそが人類史上最大の脅威であるというのだ。

 昨年に出演したポッドキャスト番組「Full Send Podcast」の中でマスク氏は「私たちが状況を好転させなければ、文明は“泣き声と大人のおむつ”とともに消滅する可能性があると考えている」と語っている。

「Daily Star」の記事より

「現時点での最大の脅威は人口崩壊、つまり超低出生率だと思います。私たちは過疎問題を抱えています。私たちが直面しているのは人口崩壊です。人口がどれくらいのスピードで崩壊するのか人々は見当もつきません」(マスク氏)

 近いうちに世界は急激な人口減少に突入すると警告を発するマスク氏だが、その真意にはこれまでの自由主義経済下でのビジネスモデルが崩壊する危機感もあるように思われる。

 2026年11月13日が無事に過ぎてからは、今度は人口減による“人類滅亡シナリオ”が待っていることになる。次々に襲いかかる新たな課題を我々は克服できるのだろうか。“人類の叡智”の真価が問われる状況はまだまだ続きそうだ。

参考:「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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