有名“近親婚”家族「ウィッタカー家」が父親の死を偽装し謝罪…何が起きたのか

父親の死を偽装し謝罪…有名“近親婚”家族「ウィッタカー家」に何が起きたのかの画像1
Radosław PleskotによるPixabayからの画像

 米バージニア州オッドの集落に暮らす有名な近親婚家族、ウィッタカー家に何が起きたのか――。父親の死で募金が集まった後、その死が偽装であったことを白状し、謝罪する事態が起きている。

■近親婚家族がウソを謝罪

 ドキュメンタリー映画監督のマーク・ライタ氏は2004年に最初にバージニア州オッドの集落に暮らす近親婚家族、ウィッタカー家を訪れて取材し、映像ドキュメンタリー『Inbred Family-The Whittakers』を制作、2020年にYouTubeで公開して多くの注目を集めた。

 その後も取材を続け、一家の近況を収録した映像を随時公開していたのだが、今年3月、一家の父親であるラリー・ウィッタカが67歳で亡くなったことが伝えられ、家族を悼む人々から多くの寄付が集まった。

 しかし、ラリーは死んでいなかった。家族はウソを謝罪したが、どうやらさらにお金が必要であることが窺い知れた。

 ライタ氏はラリーに700ドル(約10万円)を渡し、ラリーはそのお金で娘をノースカロライナに連れて行き、新しい生活を始めると約束していた。

 だがこの約束も果たされることはなく、お金は娘のためには使われなかった。

 この裏切りにライタ氏はいったん一家と距離を取ることに決め、定期的に続けられていた動画の撮影、公開も中断されたのだった。

 ウィッタカ一家のファンだった人々も多くは幻滅し、一家は恩知らずで、自分たちを養ってくれているライタ氏を欺いたと非難された。

 しばらく世の中から忘れ去られたウィッタカー家であったが、ライタ氏はこの夏、久しぶりに一家を訪れて動画を撮影してみることにしたのだ。その模様を物語る動画が8月30日にYouTubeで公開されている。

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「Daily Star」の記事より

 動画はラリーが謝罪しながらライタ氏に挨拶するシーンで始まる。

「彼らがしたことについて、全世界に申し訳なく思っていると伝えたい」(ラリー)

「私は許すことと理解することが得意だ。君たちがいなくて寂しかったし、私の視聴者の多くも君たちがいなくて寂しかったと思う」(ライタ氏)

 ライタ氏は続けて「君たちはお金が恋しかったんだね」と軽い皮肉を言うと笑いが起こった。

 1時間の動画はファンに好評だったようで、すぐに80万回の再生回数を記録し、一家との再会を祝う数千のコメントが寄せられている。動画が気になる人は「Inbred Family-The Whittaker」で検索していただきたい。

 こうしてめでたく和解した一家とライタ氏は、動画の撮影を再開することになる。全米一有名な近親婚家族、ウィッタカー家は今後もファンを楽しませてくれそうだ。

参考:「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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