唸り声で会話する実在の“近親婚家族”を撮影! 「最も狂った経験だった」監督が激白

「私が今まで見た中で最もクレイジーなものだった」と、あるドキュメンタリー映画監督が述懐している。それは現存する「近親婚家族」を取材した時のことだ――。

近親婚家族の取材は前代未聞の強烈な体験

 周囲から隔絶された“陸の孤島”に住みつき、外部との交流がないまま先祖代々そこに定住することで同族内の近親婚が繰り返されてしまったケースがある。そうした家族は「近親婚家族(inbred family)」と呼ばれ、わずかではあれ今日でもアメリカ国内でその存在が確認されている。その中でも“最も血の繋がりが濃い”近親婚家族といわれているのがバージニア州オッドの集落に住むウィッタカー家だ。

唸り声で会話する実在の近親婚家族を撮影! 「最も狂った経験だった」監督が激白の画像1
「Daily Star」の記事より

 ドキュメンタリー映画監督のマーク・ライタ氏は2004年に最初にウィッタカー家を訪れて接触し、その後に本格的な取材を行い映像ドキュメンタリー『Inbred Family-The Whittakers』を制作し、2020年にYouTubeで公開して多くの注目を集めた。権利の関係上、動画をリンクすることはできないので興味のある向きはタイトル名で検索して視聴していただきたい。

 その後も定期的に取材は続き、ウィッタカー家の日常を動画で紹介するシリーズ化したコンテンツを提供して好評を博している。

関連記事:現存するアメリカの近親婚家族・ウィタカー家とは? 精神障害を抱えた15人の“きょうだい”を世界中が支援

 近親婚家族の紹介で一躍有名になったライタ氏だが、家族を取材した日々は「私が今まで見た中で最もクレイジーなものだった」と英タブロイド紙「Daily Star」に話している。家族を取材した日々はライタ氏にとって前代未聞の強烈な体験であったというのだ。

 ウェストバージニア州オッドの山間にある人口779人の田舎町を初めて訪れた時、ライタ氏は、うなり声と咆哮でコミュニケーションを図る人々を目撃し、この人々がアメリカで最も近親婚を繰り返した一族、ウィッタカー家であることを知ることになった。

 ライタ氏はこの状況が1972年のアメリカ映画『脱出(Deliverance)』のストーリー展開に似ているのではないかと感じた。映画では都会からカヌーの川下りをしにジョージア州北部の山間部にやって来た男たちが村人に襲われるのだが、ライタ氏は映画で感じた不気味さをこのウィッタカー家の人々からも抱かされたのだった。

「これらの人々が歩き回っていて、彼らの目は別の方向を向きながら、私たちに向かって吠えていました。彼の目を見て何かを言うと、彼は悲鳴を上げて逃げ出し、ズボンがずり落ち、走って逃げ出し、ゴミ箱を蹴りました。そうしたことが何度も繰り返されました」(ライタ氏)

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「Daily Star」の記事より

彼らなりのコミュニケーション方法

 一般的に近親婚では劣性遺伝疾患(いわゆる遺伝病)が発生する確率が高くなりやすいといわれている。

 近親婚を繰り返した末に“青い肌”となったケンタッキー州の「ファゲイト一族」も有名だが、近親婚家族は健康面でなにかとネガティブな影響が及びやすいといわれている。

 このウィッタカー家の人々にも身体機能の発達面で明らかにネガティブな影響が見られ、一家の幾人かのメンバーは普通の言語を話すことはない。

 ウィッタカー家の家系図を調べたところ、15人のきょうだい(兄弟姉妹)の両親が「二重いとこ」であることが示唆されている。そして残念ながら家族メンバーのかなりの者が近親婚が原因と考えられる精神的な障害のため、外部の者と普通のコミュニケーションが取れない状態にあるのだ。

 しかし彼らは彼らなりのコミュニケーションの方法がある。

 言葉でコミュニケーションができる親戚メンバーによると、彼らはライタ氏が話していることを理解していると説明し、ライタ氏が話すメッセージに「怒鳴る」ことによって「それが好きではない」ことを表明しているのだという。つまり怒鳴り声で否定、あるいは拒絶をしているというのだ。

 確かに動画の中でメンバーの1人はライタ氏が語りかけているメッセージの内容を理解しているように見えるシーンもある。あるやりとりでは、亡くなった家族の遺体を埋めた場所をメンバーの1人がライタ氏に教えている様子が繰り広げられている。

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「Daily Star」の記事より

 ウィッタカー家を取材したライタ氏は、どうであれ家族は経済的に重度の困窮状態にあることを理解し、個人的に現金と食料を提供すると共に、クラウドファンディングを行うことを思いつきウィッタカー家のための「GoFundMe」キャンペーンを行った。集まった650万円ほどの寄付金は、老朽化した屋敷の屋根と窓の修理と、メンバーの医療費に充てられたということである。

「彼らが不平を言わないのは事実ですが、それは本当に大変な生活です」(ライタ氏)

 メンバーの高齢化が進んでいる中、今後、ウィッタカー家がどのような軌跡を辿ることになるのか予断を許さないが、支援を受けながらいつまでも元気で暮らしていってほしいものである。

参考:「Daily Star」「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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