“死んだインターネット理論”が現実に? ネットの過半数を「ボット」が占拠!トラフィック7851%増という異常事態

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 インターネットはすでに終わっているのか――。一説によればすでにインターネットの“メインプレイヤー”は人間ではなくロボットなのだという。

■“死んだインターネット理論”が現実に!?

 インターネットのサイト訪問時に「私はロボットではありません」の表示と共にチェックを求められたり、「ロボットではないことを確認しています」と少し待たされたりすることが最近特に増えたように思えるがいかがだろうか。

 裏を返せばそれほど多くのロボット(ボット)がインターネットを徘徊しているのである。

 かねてから“死んだインターネット理論(Dead Internet Theory)”が囁かれており、オンラインで見かけるアカウントのほとんどは、実は人間になりすましたボットであり、人類を孤立させ分断することで支配しようとする邪悪な計画の一環だとの“陰謀論”が一部で流布していた。しかし今やそれは急速に“陰謀論”を脱しつつあるのかもしれない。

 科学・テック系メディア「Futurism」の記事によればこの“死んだインターネット理論”の核心である「オンライン上ではボットの数が人間を上回っている」という考え方は、奇妙なほど現実味を帯びてきているという。

 最近「Fortune」誌はインターネットトラフィックの構成に関する最新データをまとめたが、そのほとんどは人間が今や少数派になりつつあることを示しているという。

「情報が不足している部分も多いが、観測されたデータの多くは同じことを示唆している。つまり、ボットの活動が増えているということだ」と、米シアトルの金融情報サービス企業「Pitchbook」の金融テクノロジーアナリスト、ルディ・ヤン氏は「Fortune」誌に語った。

「現在見られるブラウザのアクティビティの多くは、エージェント型AIの活動によって引き起こされています」(ヤン氏)

 その発言はもはや驚くべきことではないかもしれない。ボットはしばらく前からソーシャルメディアの至る所に存在しており、ますます多くの人々が調査から買い物まで、インターネット上で自分に代わってさまざまなことをさせるために、AIエージェントを活用している。

OpenAI」のCEOであるサム・アルトマン氏は昨年、“死んだインターネット理論”が現実のものになりつつあることを懸念していると発言し、物議を醸した。

 この新たな視点をさらに裏付けるものとして、インターネットセキュリティサービス企業の「Cloudflare」は6月に、ウェブページのリクエストの57%がボットによるものであると発表した。これは同社独自の指標において、ボットが過半数を占めた初めての事例であるということだ。

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 ボットは以前から至る所に存在していたが、ウェブのあり方を最も大きく変えているのはAIエージェントだ。サイバーセキュリティ企業「HUMAN」のレポートによると、AIエージェントによって生成されたトラフィックは前年比で7851%も急増したと報告されている。

 これらの自律型ボットは従来の広告フォーマットを閲覧したりクリックしたり、それらに反応したり交流したりすることはないため、ウェブにおける標準的な「インプレッション(表示回数)課金型」の収益化モデルが機能しなくなっている。そしてウェブサイトのサーバーに大きな負荷をかけているのだ。

「彼らは人間とは全く異なる方法でウェブを利用しています」とヤン氏は「Fortune」誌に語った。

「まるで全く新しい顧客層が生まれたかのようです。これは企業にとって非常に大きな意味を持ちます。なぜなら経営者として、全く新しい顧客層へのサービス提供を自ら阻害するようなことは決して望まないからです」(ヤン氏)

 AIはウェブ上で目にするものも変えつつある。SEO企業「Graphite」が10月に発表したレポートによると、インターネット上の新しい英語記事の半数以上がAIによって作成されているのだという。

 インターネットの事実上の管理者であるGoogleが、人間にとってインターネットをより使いにくくする方向へと大きく舵を切ったことも、事態を悪化させている。今やGoogleは検索エンジンで見つけられるウェブサイトへのリンク一覧をそのまま提供することよりも、チャットボットを使って回答を探し出すことの方に重点を置いているのだ。

 はたしてすでにインターネットは終わっているのか。我々人間の利用者がボットたちの“養分”と化していないことを願うばかりだ。

参考:「Futurism」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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