ピラミッド、運河、人工土壌… 高度すぎる古代アマゾン文明はなぜ消えたのか? 探検家が探し求めた失われた都市「Z」の正体

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 1925年、イギリスの探検家パーシー・フォーセットは、アマゾンの密林の奥深くに存在するとされる伝説の都市「Z」を探し求める途中、息子とその親友とともに忽然と姿を消した。

 彼のこの無謀な挑戦と謎の失踪は、映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のモデルにもなった有名な話だ。長年、多くの考古学者や歴史家たちは「アマゾンのような過酷なジャングルに、巨大な古代都市や高度な文明が存在するわけがない」と彼の挑戦を鼻で笑ってきた。

 しかし約1世紀が経過した今、フォーセットが命を懸けて探し求めた「失われた文明」が、実際に存在していた可能性を示す決定的な証拠が、最新のテクノロジーによって次々と明らかになっている。

ドローンとレーザーが暴いた「ジャングルの下の真実」

 かつての考古学者たちは、アマゾンの熱帯雨林は資源こそ豊富だが、土壌が貧弱で病気も多いため、小さな部族が散在して暮らすのが限界だと考えていた。マチェーテでジャングルを切り開きながら進む地道な地上調査では、鬱蒼とした木々に阻まれて何も見えなかったからだ。

 だが、現代の考古学者たちはもはやジャングルを這いずり回る必要はない。彼らの手には「LiDAR(ライダー)」と呼ばれる強力な武器がある。上空からドローンなどでレーザーを照射し、木々の葉を透過して「地表の地形」だけを丸裸にするこの技術が、アマゾンの常識を根底から覆した。

 イギリス・エクセター大学のホセ・イリアルテ教授はこう語る。

「パーシー・フォーセットのような探検家たちが1世紀前に探し求めていた『失われた文明』を、私たちはついに見つけつつあります。ジャングルを叩き切るのではなく、ドローンを飛ばすことによってね」

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パーシー・フォーセット User Daniel Candido on pt.wikipedia, パブリック・ドメイン, リンクによる

ボリビアのジャングルに眠る「サッカー場400個分」の巨大都市

 LiDARが暴き出した最も衝撃的な発見の一つが、ボリビア北部のジャングル(モホス平原)に隠されていた巨大な遺跡群だ。これは紀元500年から1400年頃に繁栄した「カサラベ文化」のものである。

 地上から見ればただの深い森にしか見えないその場所には、広さ3平方キロメートル(約300ヘクタール)にも及ぶ巨大な居住地が広がっていた。イリアルテ教授は「サッカー場400個分以上の広さであり、かなりの人口を収容できたはずだ」と指摘する。

 さらに驚くべきは、そのスケールと計画性だ。高さ20メートルにも達するピラミッドや、儀式に使われたとされる巨大なU字型の建造物。そして、約2万平方キロメートル(四国より広い!)ものエリアが、人工的に作られた堤道(土手道)や運河、貯水池のネットワークによって完璧に接続されていたのだ。

 これは、かつて「アマゾンには孤立した集落しかない」とされていた定説を完全に打ち砕く、高度に計画された巨大なネットワーク都市の姿だった。

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画像は「The Debrief」より

貧弱な土壌を「人工的に」作り変えた古代アマゾン人

 彼らはただ森の中に建物を建てただけではない。過酷な自然環境を「自分たちの都合のいいように」作り変えていたのだ。

 アマゾンの土壌は農業に向かないと長年言われてきたが、彼らは「アマゾンの黒土(テラ・プレタ)」と呼ばれる驚くほど肥沃な人工土壌を作り出していた。木炭や骨、生ゴミなどを既存の貧弱な土に混ぜ合わせることで、大規模な農業を可能にしたのだ。彼らは熱帯雨林の環境にただ適応したのではなく、積極的に森を開拓し、トウモロコシなどを栽培する巨大な農業システムを構築していた。

 ボリビアだけでなく、エクアドルやコロンビア、ペルー、ブラジルなどでも、LiDARを使った調査により、道路で結ばれた数千もの幾何学的な建造物や広大な古代の集落が次々と発見されている。アマゾンは決して「手付かずの野生のジャングル」などではなく、数千年前から人々が高度な文明を築き上げてきた場所だったのだ。

彼らはなぜ消えたのか? 探検家の見た夢は本物だった

 これほど高度なネットワークを築き上げた彼らが、ヨーロッパ人が到来する前に、なぜ忽然とジャングルから消え去ってしまったのか。気候変動か、近隣社会との戦争か、それとも疫病か。その謎はまだ解明されていない。

 しかし一つだけ確かなことは、パーシー・フォーセットが夢見た「失われた黄金都市(Z)」は、決して狂人の妄想ではなかったということだ。

 私たちが「手付かずの大自然」と呼んでいる足元のすぐ下には、かつてそこで繁栄し、そして消えていった人々の巨大な歴史が眠っている。ジャングルに消えた探検家のロマンは、1世紀の時を経て、空飛ぶドローンとレーザーの光によって見事に証明されたのである。

画像は「Amazon」より

参考:The Debrief、ほか

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