元NASA・現役物理学教授が断言「UAPは人類の技術ではない」時速6万km、数千Gの超絶機動と核施設を狙う“彼ら”の正体

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「宇宙人は本当に地球へ来ているのか」——この問いに、現役の物理学教授が計算と観測装置で正面から挑んでいる。ニューヨーク州立大学アルバニー校のケビン・H・ヌース教授、元NASAエイムズ研究センターの研究員だ。

 彼はUAP(未確認異常現象)の一部が人類の作ったものではないと確信している。しかも根拠として示すのは、「地球が宇宙人に見つかる確率は限りなく低い」という、一見すると自説に不利な数字だった。

大学院生たちが笑い飛ばした「基地上空を飛ぶ何か」

 1988年秋、モンタナ州立大学。大学院生だったヌース氏の周囲は、前夜に相次いだUFO目撃情報と、近隣の牧場で2頭の牛が外科手術のように切り取られた状態で見つかった事件の話題で沸いていた。

 騒ぐ院生をたしなめに現れた教授は、話題を知ると自ら輪に加わった。近くのマルムストローム空軍基地の友人たちから、UFOが基地上空に繰り返し飛来し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射施設を機能停止に追い込んでいると聞いている——。院生たちは礼儀として聞き流し、教授が去るなり笑い合った。

 それから30年以上。NASAを経て2005年に同校の物理学教授となった彼は、講義中に学生から「宇宙人は地球を訪れたことがあるのか」と問われる。答えを探すうち、2010年に元空軍将校らが開いた記者会見の映像に行き当たった。マルムストローム基地の関係者を含む彼らが語っていたのは、核ミサイル施設を止めたUFOの話だった。

 数十年も核兵器施設への”侵入”が続いていたのに、誰もが荒唐無稽と決めつけて放置してきたのだとすれば、それ自体が深刻な問題ではないか。2015年、彼はUAP研究へ舵を切った。

数千G、時速6万4000km——記録から逆算した運動性能

 信頼性が高いとされる遭遇事例の写真、映像、レーダー記録に、彼は鉛筆と紙と大量の計算、そして自作の機械学習ソフトを投入した。対象には1986年の日本航空1628便事件や、米海軍空母ニミッツの遭遇事例が含まれる。

 算出したのは、記録が成立するために「最低限」必要となる加速度と速度だ。一部のUAPは数千Gに達していたという。人間はおよそ5Gで意識を失う。速度は時速4万マイル(約6万4000km)——冥王星探査機ニューホライズンズが現在飛んでいる速度に匹敵する。

 なぜ人はUAPを宇宙船だと考えたがるのか。実際に宇宙船並みの速度で飛んでいるからだ、というのが彼の答えである。

1000万文明のシミュレーションが示した「0.000405%」

 だが壁がある。銀河系には3000億〜4000億個の恒星があり、それぞれが惑星を従えている。この干し草の山から地球という一本の針を見つけ出す確率は、どれほどなのか。

 ヌース氏は1000万の宇宙航行文明を仮想的に生成した。各文明に出発地点、寿命、到達可能な速度と加速度、航行に耐えうる時間の上限、居住地を確保できる確率を与える。基地を築いては次の星系へ進む——コーヒーに落ちたクリームが広がる拡散過程として、銀河への進出をモデル化した。

 結果、恒星間航行が可能な文明が地球を訪問する確率は約0.000405%。実際に到達する文明は全体の約0.00009%にすぎない。地球は、あまりに見つけにくい。

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 だが彼はこれを「だから宇宙人は来ていない」とは読まない。逆に、もし今この瞬間に地球外の存在がいるのなら、地球を発見したのは平均で約120万年前、古い場合は170万年以上前という計算になる。UFOがローマ時代から目撃されてきたことを思えば辻褄は合う、という見立てだ。

 彼がもう一つ重視するのが、原子力災害の翌日にUAP目撃が集中する傾向である。福島でもチェルノブイリでも同じことが起きたという。それだけ早く現場へ現れるなら、彼らは地球上か太陽系内にいることになる。

 カール・セーガンはかつて、UFO目撃は数が多すぎる、恒星間宇宙船がそんな頻度で来るはずがないとしてこの説を退けた。ヌース氏はその指摘自体は正しいと認めたうえで、正反対の結論を引き出す。それほど頻繁に現れるのは、彼らがすでにここにいるからではないか——。

 並外れた主張には並外れた証拠が要る。セーガンが残したこの原則を、彼は自らへの宿題として引き受けた。

 現在は研究グループ「UAPx」で高性能センサーによる観測を進め、米国のUAP科学諮問委員会にも名を連ねる。空を飛ぶものが宇宙船でなくても構わない、正体が判明した方が我々は安全なのだから——。かつて廊下で笑い飛ばされた話を、今度は科学の作法で机の上に載せようとしている。

参考:Popular Mechanics、ほか

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