MMAファイターが”チンパンジーとの格闘”に50万ドル超のオファーを受けたと主張、科学者は「壊滅的な怪我」の危険性を警告

SNS上で今、ひとりの格闘家が投稿した「常識外れの挑戦状」が波紋を広げている。
米ミネソタ州出身のアマチュアMMAファイター、コール・ジョンソン氏が、成人オスのチンパンジーと本気の”格闘”を行うため、50万ドル(約7500万円)超の報酬オファーを受けたと主張しているのだ。対戦は今週金曜日に予定されているといい、専門家たちは口を揃えてこの計画が「大惨事」を招きかねないと警鐘を鳴らしている。
「チンパンジーを倒せる」——バズった一言から始まった狂騒
事の発端は、ジョンソン氏がSNSに投稿した「自分ならチンパンジーに勝てる」という趣旨の一言だった。この投稿はTikTokで780万回以上再生され、「本当にやってみろ」と資金を申し出る者が現れ始めたという。
取材に応じたジョンソン氏によれば、当初のオファーは出資者が手を引いたものの、現在はそれを上回る報酬を提示する別のグループと交渉中だという。
氏の説明では、対戦相手のチンパンジーは鎮静剤なし、爪も牙もそのままの状態で芝生敷きの大型檻に放たれ、制止用の麻酔銃を持つスタッフも配置されるという。この騒動を機に、関連する暗号資産の販売や対戦を宣伝する専用サイトまで開設された。ジョンソン氏は契約をまとめるためコンゴ民主共和国へ向かっていると投稿しており、真偽は依然不明だ。
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「桁違いの筋力」を誇るチンパンジーの脅威
エクセター大学のキンバリー・ジェーン・ホッキングス准教授は、チンパンジーは高度な社会性を持つ野生動物で、脅威を感知すると桁外れの攻撃性を発揮すると指摘する。上半身の筋力や瞬発力は人間をはるかに凌駕し、攻撃時の傷は「壊滅的」になり得るという。
研究では、チンパンジーの筋肉が発揮する最大出力は人間の約1.35倍、噛む力は1251〜1908ニュートンと人間の約3倍にのぼると報告されている。顎の強さや犬歯、上肢の力に加え、人間とは異なる攻撃行動のパターンこそが真の脅威だと同准教授は付け加える。
ミネソタ大学のマイケル・ウィルソン教授も、チンパンジーは対戦を「ゲーム」と理解できず、生存をかけた争いとして反応する可能性が高いと警告する。鋭い犬歯による咬傷や、手で相手の体を引き裂く攻撃により、人間を死傷させる闘争に発展しかねないという。
実際、2009年に米コネチカット州で飼育チンパンジー「トラビス」が飼い主の友人を襲い、顔や両手を失うほどの重傷を負わせた事件は、その危険性を物語る先例として今も語り継がれている。
保全活動への打撃を懸念する専門家たち
物理的な危険に加え、専門家は倫理面での懸念も示す。ダラム大学のジョアンナ・セチェル教授は、チンパンジーは娯楽の対象ではなく野生動物であり、こうした「対戦」を責任ある形で行う方法は存在しないと断言する。人間が勝てるかどうかではなく、絶滅が危惧される知的で社会性の高い野生動物を娯楽のために危険にさらす理由こそが問われるべきだという。
さらに、この騒動は長年の保全活動に水を差しかねない。チンパンジーは本来人間に寛容で野生下の攻撃はまれだが、森林伐採で接触機会は増え続けている。捕獲個体を使った”見世物”は、こうした動物を「生まれつき凶暴」であるかのように印象づけ、野生個体群への反感を煽りかねない。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのアレクサンダー・ピール准教授は、チンパンジーを話題作りに利用する行為は倫理的に容認できず、保全の取り組みにも逆効果だと述べる。生息地の喪失や密猟、感染症、人間の進出で野生個体群が強い圧力にさらされるなか、こうした企画は現場の努力に冷や水を浴びせかねない。
対戦は本当に実現するのか、それとも暗号資産販売のための壮大な悪ふざけに過ぎないのか——真偽は金曜日を待たねば分からない。ただ、SNSの一言がここまで専門家を本気で心配させる事態に発展したこと自体、現代らしい奇妙な現実だと言えるだろう。
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2024.10.02 20:00心霊MMAファイターが”チンパンジーとの格闘”に50万ドル超のオファーを受けたと主張、科学者は「壊滅的な怪我」の危険性を警告のページです。チンパンジー、格闘家、格闘などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで