7億〜13億人が命を落とす……? 研究者が描いた地球の”時限爆弾”イエローストーン超巨大噴火の全経過

地球上に存在する「時限爆弾」として、たびたび名前が挙がる火山がある。アメリカ・ワイオミング州を中心に広がるイエローストーンの超巨大火山だ。
もしこの火山が今、破局的な噴火を起こしたら何が起きるのか。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で災害と健康を研究するイラン・ケルマン教授と、英コヴェントリー大学で自然災害を研究するマシュー・ブラケット氏が、その経過を時系列で描き出した。行き着いた先は、最終的に7億〜13億人が早すぎる死を迎えるという衝撃的な数字だった。
ただし両氏は、これは予言でも予測でもなく、既存の研究と過去の災害対応をもとにした「思考実験」であり、極端な最悪ケースだと強調している。
始まりは「ありふれた」群発地震だった
シナリオの幕開けは、驚くほど地味だ。24時間体制で火山を監視しているユタ大学地震観測所の担当者が、カルデラ直下で小さな地震の群れを捉える。当初は特に注目もされない。
ところが翌月にかけて、震源は少しずつ浅い方へ移動し、地面の隆起も加速していく。火山警戒レベルは「平常」から「注意」へと引き上げられ、3カ月以内に大噴火が起きる確率の見積もりは6〜9%から21〜27%へ跳ね上がる。水面下では、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)が避難計画に着手するという設定だ。
噴火の2週間前には、3週間以内に破局的噴火が起きる確率が85〜92%と見積もられ、公園の外側100kmにまで避難区域が設定される。対象となる住民は約20万人にのぼる。

高さ50kmの噴煙柱と、1.8mの火山灰
そして噴火の瞬間。650〜800℃のマグマが火山灰と軽石に砕け散り、高さ30〜50kmに達する噴煙柱が立ち上る。約800km離れたデンバーからも見えるほどの規模で、火山爆発指数(VEI)は最高ランクの「8」に相当する。
火砕流は周囲数十kmにわたってあらゆるものをなぎ倒し、焼き尽くす。ただ、事前の避難が功を奏し、噴火そのものによる直接の死者は最大1000人程度にとどまると見積もられている。
本当の悪夢はその後に訪れる。数日のうちに、モンタナ州ビリングスには最大1.8mもの火山灰が降り積もり、ソルトレイクシティやボイシでも数十cmに達する。灰をかぶった送電線は感電や火災の原因となり、浄水・下水・通信といったインフラが複数の州で機能を失うという。

10年後、世界人口は4億人減少する
このシナリオで最も恐ろしいのは、時間をかけてじわじわと広がる影響だ。
成層圏に送り込まれた二酸化硫黄が太陽光を遮り、地球全体の気温は最大1.5℃低下する。北米の農作物は壊滅的な打撃を受け、世界の食料価格は急騰。淡水不足に直面する人々は44億人から48億人へと増える。
感染症、飢饉、医療体制の崩壊が連鎖した結果、10年後には世界人口が83億人から79億人へと減少し、超過死亡は7億〜13億人に達すると試算されている。さらにその2倍ほどの人々が、長く健康被害を抱えることになるという。
もっとも、米地質調査所(USGS)は、過去の噴火履歴から見積もったイエローストーンの破局的噴火の年間確率を、およそ73万分の1としている。ただしこれは過去3回の大噴火の間隔を平均しただけの概算であり、確たる判断材料にはならないとUSGS自身も断っている。
両氏も、前回の破局噴火が約63万1000年前、人類が北米大陸に到達する以前の出来事だったことに触れている。そのうえで、あの噴火は人類を終わらせたわけでも、それに近い事態を招いたわけでもなかったと指摘している。
確率だけ見れば、明日を心配する必要はほぼない。それでも、足元の大地の下に巨大なマグマだまりが眠っているという事実は変わらない。この思考実験は、文明の「もろさ」を静かに突きつけているのかもしれない。
参考:UNILAD、The Conversation、USGS
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2024.10.02 20:00心霊7億〜13億人が命を落とす……? 研究者が描いた地球の”時限爆弾”イエローストーン超巨大噴火の全経過のページです。噴火、破局噴火、イエローストーンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

