【トバ・カタストロフ理論】人類の祖先が「たった1000人」に激減!? 過去の超巨大噴火とヤンガードリアス期の気候激変とは

私たちが今、こうしてスマートフォンやパソコンで記事を読み、毎日満員電車に揺られ、世界中に83億人もの人間がひしめき合っているのは、実は「奇跡」に近いことなのかもしれない。
人類の歴史は、決して右肩上がりで順調に増え続けてきたわけではない。今から約7万年前、私たちの祖先は「たった1000人」にまで激減し、絶滅の淵に立たされていたというのだ。
恐竜が隕石で滅んだように、人類もまた「ある巨大な自然災害」によって、地球上から消え去る寸前まで追い込まれていたのである。
太陽の光を奪った「トバ火山」の超巨大噴火
時計の針を旧石器時代(約7万年前)まで戻そう。当時のホモ・サピエンスやネアンデルタール人たちは、狩猟や採集を行い、道具を発明し、厳しい氷河期の気候に適応しながら世界中へ散らばろうとしていた。
しかし、彼らの頭上に突然、想像を絶する絶望が降り注いだ。
現在のインドネシア・スマトラ島にある「トバ火山」が、地球の歴史上でも最大級の「超巨大噴火」を起こしたのだ。
その規模は、かの有名なポンペイを滅ぼしたヴェスヴィオ火山の噴出量が約3立方キロメートル、「夏のない年」を引き起こしたタンボラ火山が約80立方キロメートルであるのに対し、トバ火山はなんと「2800立方キロメートル」もの岩石や火山灰を大気中に吹き飛ばしたという。文字通りケタ違いの破壊力である。

気温は最大9度低下、生き残ったのは「たった1000人」
空を覆い尽くした膨大な火山灰は、その後約6年間にわたって太陽の光を遮り続けた。地球は一気に「火山の冬」に突入し、平均気温は5度から9度も急降下。この寒冷化の影響は数千年にわたって続いたとされている。
直接的な爆発や津波で死んだ者もいれば、太陽の光が届かず植物が枯れ、深刻な食糧難(飢餓)によって他の大陸にいたコミュニティも次々と全滅していった。
一部の科学者たちの推測によれば、この時、地球上で繁殖可能な大人の人間は「約1000人(あるいはそれ以下)」にまで減少したという。
私たちが今持っているDNAの多様性が比較的少ないのは、この時に生き残ったごくわずかなグループ(ボトルネック)の子孫だからだとする「トバ・カタストロフ理論」は、人類史における最も恐ろしく、そしてロマンのある仮説の一つだ。
生き残ったわずかな人々は、過酷な環境と食糧不足の中で、生き延びるために「より大きなグループで協力する」ことを余儀なくされた。この絶望的な状況下で培われた「協力(社会性)」こそが、結果として人類を再び繁栄へと導く鍵となったのである。
1万4500年前の「ヤンガードリアス期」の試練
人類への試練はこれだけでは終わらない。約1万4500年前、北半球は急激な温暖化に向かっていたが、突然再び「急激な寒冷化」に襲われた。この「ヤンガードリアス期」と呼ばれる気候激変によって、人類の人口は再び大きく落ち込み、回復するまでに2000年以上を要したという。
この急激な寒冷化の原因についても、「巨大な彗星の衝突」説などが囁かれており、オカルトファンの間では「古代の高度な文明(アトランティスなど)が滅んだ原因」としても語られることが多い時期だ。

そして現在、83億人の地球で
その後、気候が安定した完新世(新石器時代)に入ると、人類は農業を始め、ついに人口爆発のフェーズへと突入した。紀元前200年には100万人を超え、1804年には10億人に到達。そして2026年現在、地球上には83億人以上の人間がひしめいている。
現代の私たちは、AIや宇宙開発など高度なテクノロジーを手に入れ、自然をコントロールできる気になっている。しかし、トバ火山の超巨大噴火やヤンガードリアス期の激変が教えてくれるのは、「人類は常に、気まぐれな母なる自然の慈悲の上に生かされているにすぎない」という冷酷な事実だ。
もし明日、トバ火山クラスのスーパーボルケーノが目を覚ましたら——あるいは巨大な隕石が落ちてきたら、私たちの築き上げた文明は、またしても一瞬で「1000人のサバイバル」へと引き戻されてしまうのかもしれない。次に生き残る1000人の中に、果たしてあなたは入っているだろうか?
参考:MENTAL FLOSS、ほか
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