【ノアの方舟】掘削ドリルの刃が砕けた!? 伝説の船形地層の地下18mから「有機物層」と謎の空洞

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「ノアの方舟」の化石ではないかと70年近く論争が続く、トルコ東部の船形地層「ドゥルピナール遺構」。先日トカナでも掘削調査の開始をお伝えしたが、早くもその初期結果が発表された。

 地下から引き上げられた試料には有機物に富む層や複数の空洞が含まれ、さらに掘削中には「石灰岩より硬い何か」にぶつかってドリルの刃が砕けたというのだ。

地下18mから引き上げられた「有機物に富む層」と空洞

 発表したのは、民間資金で運営されるキリスト教系団体「ノアズ・アーク・スキャンズ」だ。シヴァス・ジュムフリエット大学の考古学者の協力を得た国際チームを率いており、創設者のアンドリュー・ジョーンズ氏は、この地層こそ方舟だと信じているからこそ最も厳格な検証にかけていると公言している。

 チームは船形の輪郭の内側に加え、比較用の「対照地点」として遺構から十分離れた外側でもコア掘削を実施。ジョーンズ氏によれば、許可を得た本格的な深層掘削は史上初で、最大深度は地下18mに達したという。

 採取された試料には土壌や堆積物の層、有機物に富む区間、そして空洞が含まれていたとされる。チームはこの有機物層を、古代の「腐朽した木材」の痕跡である可能性があると説明。空洞は複数見つかり、そのうち一つは泥と水で満たされていたという。

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深さ4〜5mでドリルを止めた「石灰岩より硬い何か」とは

 チームが最も強調するのが、掘削中のアクシデントだ。今回は水を使わない「乾式」の掘削システムを採用していたが、地表から4〜5mの深さで上部の層を貫いた直後、極めて硬い層に突き当たり、ドリルの刃が折れてしまったのだという。

 ジョーンズ氏は、ぶつかった物質は刃を壊すほど硬く、石灰岩以上の硬度があったと主張。その正体として、化石化した木材、あるいは高度に鉱物化した木材の可能性を第三者機関の分析で確かめたいとしている。

 また、今回の掘削では石灰岩の基盤岩に一度も行き当たらなかったとも報告。地質学者の間で主流となっている「ただの岩石層」という説明に疑問を突きつける結果だと、チームは位置づけている。

 なお、1988年にも同地で掘削は試みられているが、チームによれば当時の穴は今回のごく一部の深さにとどまり、刃の冷却に使った水で試料が汚染されて結論が出なかったという。乾式を選んだのはこの反省からだ。

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創造論者すら疑問視、査読なき「新章」の行方

 ただし、今回の発表は団体のプレスリリースと公式サイトで公表されたもので、学術誌での査読は経ていない。有機物層や硬い層の正体も、実験室での分析結果が出るまでは確定しない。

 疑問の声は地質学者からだけではない。聖書の記述を字義通りに信じる「若い地球創造論」の代表格で、団体「アンサーズ・イン・ジェネシス」創設者のケン・ハム氏でさえ、チームは結論ありきでデータを見ており、他の解釈を客観的に検討していないと苦言を呈している。

 一方のチームは、すでに次の一手を用意している。以前の地中レーダー調査で検出された直線状の構造や直角の交差、細長い空洞を、船内の通路や部屋につながるものではないかと推測。創世記で方舟の材料とされる「ゴフェルの木」にちなんで名付けた探査ロボット「GOPHER」を掘削孔から送り込み、高解像度カメラで内部を撮影する計画だという。

 ジョーンズ氏は、今回の結果が方舟調査の新たな章を開いたと意気込むが、刃を砕いたのが古代の木材だったのか、単に硬い岩だったのかは、分析結果を待つほかない。

 それでも、太古の洪水伝説を追って地下に穴を穿ち、ロボットで暗い空洞をのぞき込もうとする試み自体が、どこか冒険譚めいている。GOPHERのカメラが映し出すのがただの岩の割れ目か、それとも人の手による「部屋」か。答えが出るその日まで、アララト山麓の船形の丘は想像をかき立て続けるだろう。

参考:The Debrief、ほか

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TOCANA編集部

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