157メートルの船形地層に本格掘削開始 「ノアの方舟」伝説の地下に潜む”規則正しい”反応

聖書の大洪水伝説をめぐり、70年近くにわたって議論が続いてきた「船形の山」に、ついに本格的なメスが入った。トルコ東部、アララト山近郊の高原に横たわる全長157メートルの地層「ドゥルピナール遺構」で、地下に穴を開けて実際の岩石サンプルを採取する掘削調査が始まったのだ。
航空写真やレーダー画像による間接的な調査とは一線を画す試みで、地下からは早くも「規則正しい輪郭」を示す反応が検出されているという。
アララト山から29km、”箱舟型”地層発見から67年
ドゥルピナール遺構は、トルコ・アール県ドウバヤズィト近郊、大アララト山頂から約29キロメートル南に位置する。上空から見ると一端が尖り、もう一端が広がった輪郭を持ち、長さは約157メートル(515フィート)に及ぶ。その形が大型船の船体を連想させ、古くから注目を集めてきた。
現代の調査は1959年、トルコ陸軍大尉イルハン・ドゥルピナル氏が偵察用の航空写真でこの地形に気づいたことに始まる。翌1960年に調査団が現地入りしたが、船や人工構造物を裏付ける確たる証拠は得られなかった。
その後1970〜80年代には探検家ロン・ワイアット氏やデビッド・ファソルド氏らが独自調査を実施し、鉄分を含む物質の集中や錨石とも解釈された大型の石を報告。だが自然の岩層や鉱物の集積でも同様の反応は起こり得るとして、地質学者から繰り返し異論が唱えられてきた。
トルコ政府承認プロジェクト、コア掘削で地下に迫る
今回の調査は、シヴァス・ジュムフリエット大学のジェンケル・アティラ教授が率いる、トルコ政府承認の2026年プロジェクトだ。複数国の科学者・学生が参加し、これまでGPS測量、3Dモデリング、地中レーダー・電気探査を実施。レーダーは比較的規則正しい輪郭や交差パターン、空洞を思わせる反応を検出したという。
ただしレーダー画像は地下の「写真」ではなく、物質の変化を示す間接データに過ぎない。反応が岩石の境界や亀裂、鉱物の集積、空洞や人工物のいずれに由来するかは、レーダーだけでは判別できないのだ。
そこで実施されているのが、円柱状に試料を直接くり抜くコア掘削だ。既知の深度から採取した堆積層・石灰岩・有機物などを分析し、地表のレーダー・電気探査データと突き合わせることで、遺構の成り立ちをより正確に把握する狙いがある。掘削で到達可能な空洞が見つかった場合、小型ロボットカメラを挿入する計画もあるという。

自然の造山活動か、未知の構造物か
一方、この地層を自然地形とみる地質学的な見解も根強い。地質学者ローレンス・コリンズ氏と、かつてノアの方舟説を支持していたファソルド氏は、後の共同研究で「折り畳まれた堆積岩と自然の鉱物濃集で説明可能」と結論づけた。2007年発表の別の研究も、より軟弱な地層の上を滑り落ちた石灰岩塊が侵食や地滑り、氷の融解、風化を経て現在の形になった可能性を指摘する。造山運動による圧縮や断層、火山活動が幾重にも重なるトルコ東部特有の地質史が、こうした不自然に見える地形を生み得るという。
今回のコア掘削は、こうした自然説を直接検証する機会でもある。試料が周辺地形と連続する自然の岩石構造を示せば自然形成説を裏付け、局所的にまとまった構造物や人為的な痕跡が見つかれば、さらなる調査が必要になる。現時点でノアの方舟の発見を裏付ける考古学的証拠は存在せず、結論にはなお時間がかかるとみられる。
1959年に一枚の航空写真から始まった議論は、67年を経てようやく地中の実物と向き合う段階に入った。掘削が明らかにするのは教科書通りの自然地形か、常識を揺さぶる何かか。空から見つかった一枚の写真が世界中の想像力を掻き立ててきたように、地中のサンプルもまた新たな謎とロマンをもたらす可能性を、まだ捨てきれずにいる。
参考:Above the Norm News、ほか
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2024.10.02 20:00心霊157メートルの船形地層に本格掘削開始 「ノアの方舟」伝説の地下に潜む”規則正しい”反応のページです。トルコ、ノアの方舟、アララト山などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

