2歳の子どもへの安楽死、12歳未満では初とみられる事例が明らかに… オランダの審査委員会が認めた「耐え難い苦痛」と医師の判断

2歳の子どもに、医師による安楽死が行われていた。オランダの審査委員会が公表した報告により、2025年末に実施されたこの事例の詳細が明らかになった。
2024年の制度変更で、同国では1歳から12歳までの子どもにも厳格な条件のもとで安楽死が認められるようになった。今回のケースは、この年齢層で新生児を除いて初めての事例とみられている。
審査委員会が明らかにした「生後24カ月」の子どもの状態
事例を検証したのは、後期妊娠中絶および新生児・子どもの生命終結を審査する同国の委員会だ。委員会の調査によれば、亡くなった子どもは生後24カ月だった。性別は公表されていない。
報告によると、この子どもはかなりの早産で生まれ、重い脳の損傷を負っていた。その結果、重度の脳性まひと視覚障害を抱えていたという。
さらに、頻繁で激しいてんかん発作が続き、薬がほとんど効かない状態だったとされる。肺にたまった痰のために呼吸も苦しく、成人まで生きられないことは明らかだったと委員会は判断している。
医療的な処置に加え、医療以外のさまざまな手立ても尽くされたが、両親と医師は子どもの状態に改善を見いだせなかった。そして、子どもが回復の見込みのない耐え難い苦しみの中にあると確信するに至った——委員会はそう結論づけている。
2024年の制度変更で開かれた「1歳から12歳」への道
オランダでは以前から、新生児と12歳以上の人については安楽死が認められていた。一方で、その間にあたる1歳から12歳の子どもは対象外とされてきた。
こうした中、同国は2024年に制度を改め、非常に厳しい条件付きでこの年齢層の子どもにも生命終結を認めた。子どもの安楽死を認めている国は、オランダとベルギーの2カ国だけだという。
オランダ政府の説明によれば、対象となるのは、子どもが治る見込みのない病気にかかり、改善の見通しがないまま耐え難い苦しみにある場合に限られる。
具体的には、激しい痛みが絶え間なく続き、治療法がなく、緩和ケアを含めても苦しみを和らげる合理的な代替手段がない状態を指すとされる。そのうえで医師は両親とともに判断し、可能であれば子ども本人とも話し合うことが求められている。
今回の事例について、委員会は執行した医師が適切な注意義務を果たしていたと結論づけた。
親と医師が下した決断を、社会はどう受け止めるのか
今回明らかになったのは、制度の枠組みの中で慎重に審査され、手続き上は問題がないと判断された1件の記録だ。
言葉で苦しみを訴えることのできない幼い子どもの「耐え難い苦痛」を、周囲の大人がどう見極めるのか。緩和ケアの限界はどこにあるのか。制度が整えられたとしても、その問いが軽くなるわけではない。
最期まで治療を続けることも、苦しみを終わらせることも、どちらも子どもを思う気持ちから生まれる選択だろう。この決断をどう受け止めるかは、国や文化、一人ひとりの価値観によって大きく異なるはずだ。
オランダで始まったこの制度が、今後どのように運用され、どのような議論を呼ぶのか。その行方を見守るほかない。
参考:LADbible、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊2歳の子どもへの安楽死、12歳未満では初とみられる事例が明らかに… オランダの審査委員会が認めた「耐え難い苦痛」と医師の判断のページです。オランダ、安楽死などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
