「安楽死ポッド」利用者の首に絞殺痕…?関係者が拘束、事件の真相は…
人生の終焉を自ら選択できる安楽死ポッド「Sarco」。その利用者の死には何やら不穏な点があるようだ―――。
スイスの森で起きた悲劇
2023年9月23日、スイス、メリスハウゼンの森の中で、64歳のアメリカ人女性がSarcoポッド内で死亡しているのが発見された。彼女はポッド内でボタンを押すことで、窒素ガスで満たされたチャンバー内で低酸素症により死亡したとされている。しかし、女性の首には絞殺痕のような傷があり、事件は不穏な様相を呈している。自殺ではなく、殺人事件の可能性も浮上し、当局は捜査を進めている。これは一体どういうことなのか、不可解な点が多い。
捜査の進展と関係者の逮捕
主任検察官のペーター・スティッヒャー氏は、女性が殺害された可能性があると法廷で懸念を表明した。事件直後、検医からスティッヒャー氏に伝えられた情報によると、女性の首には絞殺痕とみられる損傷があったという。事件を受け、Sarcoの運営会社「The Last Resort」の責任者であるフロリアン・ウィレット医師を含む複数の人物が拘束された。オランダのニュースサイト「de Volkskrant」によると、ウィレット医師は現在も拘留中である。報道によれば、ウィレット医師は、死亡時に女性と共にいた唯一の人物だったという。まるでミステリー小説のような展開だ。
病状と死因の謎
死亡した女性は、頭蓋底骨髄炎を患っていたとされている。情報筋によると、この病気は骨髄の感染により、絞殺痕に似た跡が現れることがあるという。MailOnlineは、女性は「深刻な痛みを伴う非常に重篤な病気」と診断された後、2年以上も死を望んでいたと報じている。The Last Resortによると、彼女の骨髄炎の治療選択肢は、免疫系の障害のために限られていたという。一体どれほどの苦痛だっただろうか。
安楽死ポッド開発者の証言と逮捕劇
物議を醸している「安楽死ポッド」の発明者であるフィリップ・ニチュケ医師は、女性が装置に入り、「ほぼ即座にボタンを押した」ことを認めた。彼女は最後の瞬間に、周囲の森の静けさの中で木々や空を眺めることができたという。ニチュケ医師はオランダのジャーナリストに、その陰鬱な光景を次のように説明した。「まさに私たちが予想していた通りの光景でした。彼女は2分以内に意識を失い、5分後に死亡したと思われます。腕の筋肉に突然の小さな収縮と動きが見られましたが、おそらくその時すでに意識を失っていたのでしょう」。
女性の遺体の発見を受け警察が出動し、静かな森の中で複数の逮捕者が出た。ウィレット医師、法務専門家2名、そしてde Volkskrantのカメラマンまでもが拘束された。先月のMailOnlineの記事によると、シャフハウゼン州のペーター・スティッヒャー検察官は、Sarcoの開発者に対してその使用について警告していた。「私たちは書面で警告しました。もしSarcoを使用すれば、刑事上の結果を招くと伝えました」と明らかにした。当局の疑念は、自殺を助長し、自殺行為を支援したという疑惑に集中している。48時間以内にほとんどの人が釈放されたが、ウィレット医師だけが拘留されたままだ。一体真相はどこにあるのだろうか。
The Last Resort側の主張
The Last Resortは声明を発表し、「The Last ResortとExit International(終末期における自発的安楽死および自殺幇助の合法化を推進する団体)は、いかなる法律にも違反しておらず、Sarcoの最初の使用は合法だったと主張している。女性は精神的能力があり、自発的に行動し、自ら死に至る行動をとった。利己的な動機はなく(料金は請求されておらず、誰も個人的な利益を得ていないなど)、このすべてについて証拠が存在する。Sarcoを使用する前に、長年にわたり広範な法的助言を受けていた。私たちは、犯罪捜査の結果、誰も犯罪を犯していないと結論づけられると確信している。フィリップ・ニチュケ医師とフィオナ・スチュワート医師は、シャフハウゼン検察庁に書面で、スイスで尋問を受ける用意があると伝えた」と述べた。
自殺幇助をめぐる倫理的な議論、そして事件の真相。今後の捜査の行方が注目される。
参考:Daily Star
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊「安楽死ポッド」利用者の首に絞殺痕…?関係者が拘束、事件の真相は…のページです。安楽死、スイス、Sarcoなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで