棺桶を自ら購入し「遺体」を演じた男 —— 飲酒運転の罰から逃れるための壮大な『死んだふり』作戦、まさかの結末

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 人は追い詰められると、驚くほど手の込んだ嘘をつくことがある。中国に暮らすある男性は、3度目の飲酒運転で実刑を突きつけられそうになった際、「逃亡する」でも「弁護士を雇う」でもなく、まさかの「死んだふりをする」という奇策に打って出た。しかも家族まで巻き込んだ本格的な偽装工作だったというから驚きだ。

3度目の飲酒運転で「実刑」の危機——男が思いついた奇策

 中国東北部の都市・安陽市に住むシーという男性は、以前にも2度の飲酒運転で摘発され、免許を取り消されていた。中国の飲酒運転の取り締まりは基本的に「累積制」で運用されており、悪質なケースでなくても違反を重ねれば実刑対象になる。

 2025年1月、シー氏は無免許のまま酒気帯び運転をしているところを警察に呼び止められ、案の定アルコール検知に引っかかった。これで3度目の違反となり、1カ月から6カ月の懲役刑が科される可能性が浮上した。保釈中の身となったシー氏が出した結論は、まさかの「死亡」だった。

棺桶を購入し、遺体役まで演じた”本格派”の偽装工作

 2025年6月、シー氏はまず自分の棺桶を購入するところから計画を始めた。次に大量の空の薬瓶を自宅にばら撒き、身体を冷却器具で冷やしてから床に横たわり、薬物の過剰摂取で死亡したように見せかけたという。

「遺体」を発見した母親と祖母は号泣しながら近隣住民を呼び集め、変わり果てた息子の姿を見せて回った。ただし顔だけは黒い布で覆い、死に顔があまりに苦しそうで直視できないと説明していたそうだ。

 こうして周到に「死」が周知されると、母と祖母はシー氏を棺桶に納めて埋葬した。ところが葬儀の最中、当のシー氏はこっそり抜け出し、南方の雲南省へと逃走していたのだった。

死体のフリが下手だった——銀行口座が命取りに

 遺族は翌日、警察にシー氏の死去を届け出た。しかし警察はいくつかの不自然な点に首をかしげた。遺体発見から埋葬まであまりに早く、医師の検視すら経ていない。近隣住民に確認しても、遺体の顔を実際に見た者は誰一人いなかった。さらに、自分の死を見越して事前に棺桶を用意する人間などそうはいない。

 不審に思った警察がシー氏の銀行取引と通話履歴を調べたところ、「死者」にしては頻繁に出金や通話を行っていることが判明した。決済情報と防犯カメラの映像を突き合わせると、雲南省で買い物を楽しむシー氏の姿がはっきりと映し出されていたという。

 今年4月、雲南省警察はシー氏の身柄を確保し、河南省へ送還した。5月の裁判で、シー氏には懲役5カ月と罰金2万元(日本円で約41万円)の判決が下されている。実刑期間だけを見れば、死んだふりなどせずに大人しく罰を受けていた場合とさほど変わらなかったかもしれない。

 そして代償はシー氏本人だけでは済まなかった。6月、河南省警察はシー氏の母と祖母についても、犯罪者を匿った疑いで捜査を開始したと発表している。飲酒運転の罰を逃れようとした結果、家族ごと前科持ちになりかねない事態を招いたわけだ。

 数カ月の懲役を避けるために死んだふりまでした男が、出所後にどんな顔で家族と再会するのか、それもまた気になるところである。

参考:Oddee、ほか

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