CIAの狂気「動物暗殺部隊」計画「サブプロジェクト94」脳に電極を埋め込まれ“生体兵器”と化した動物たち

CIAの狂気「動物暗殺部隊」計画「サブプロジェクト94」脳に電極を埋め込まれ“生体兵器”と化した動物たちの画像1
画像は「Daily Mail」より

 1950年代~1960年代末まで行われていたCIAの極秘の洗脳実験「MKウルトラ」に含まれていた動物実験「サブプロジェクト94」とは――。

■「MKウルトラ」にあった“動物暗殺部隊”計画

 冷戦時代の悪名高い極秘の洗脳実験「MKウルトラ」では数十の異なる実験で犯罪者、精神病患者、麻薬中毒者に加えて陸軍兵士や一般市民にもLSDやコカインなどの麻薬が知らぬ間に投与されていたことが、機密解除された文書から明らかになっている。

 化学者のシドニー・ゴットリーブが主導した「MKウルトラ」では数々の試みが行われていたが、その中には「動物暗殺部隊」の実現を目指す驚くべき実験も含まれていた。

「サブプロジェクト94」と呼ばれるこの恐ろしい計画では、科学者らがネズミ、猫、犬、サル、ロバ、クマ、モルモット、鳥の脳に電極を埋め込み、電気信号によって動物の動きを自在にコントロールすることが試みられた。たとえば鳥に盗聴器を着けて敵陣に飛ばしたり、爆弾を身に着けた犬を敵の要人に近づかせて爆破したりというアイデアが構想されていた。

 科学者たちは動物の脳の快楽中枢を正のフィードバックで刺激することによって動物の進行速度と方向を制御し、思い通りに動物を動かせることに成功したといわれている。ある1つの実験では研究者たちは犬の進路を比較的簡単にコントロールすることに成功したとの記録が残されている。

 1960年代に作成された機密文書には、CIAがこれらの遠隔操作動物を敵地に送り込み、「直接的な行政措置」を実行しようとしていたことが示されている。現在、一部の専門家は、これはアメリカに反対する他国の政府高官の暗殺を意味していたと考えている。

 今年5月に出版された『Project Mind Control(プロジェクト・マインド・コントロール)』の著者、ジョン・ライル氏によると、ネズミが最も制御しやすい生き物であったという。

 また「サブプロジェクト94」の研究者らは、ロバとクマは「悪天候下でも重い荷物を長距離運ぶことができる」と記している。

CIAの狂気「動物暗殺部隊」計画「サブプロジェクト94」脳に電極を埋め込まれ“生体兵器”と化した動物たちの画像2
画像は「Daily Mail」より

 CIAが実際に外国政府高官の暗殺作戦にマインドコントロールされた動物を使用したことがあったかどうかは不明である。

「サブプロジェクト94」は1961年12月に発足し、CIAはこれらの実験の資金を医学研究のための「ゲシクター基金(Geschickter Fund)」に隠蔽した。

 ゲシクター基金は著名なアメリカの病理学者でありジョージタウン大学の教授であったチャールズ・ゲシクター博士によってがんなどの分野の研究を支援するために1939年に設立されたが、1977年に議会の調査でこの基金が何十年にもわたって「MKウルトラ」の隠れ蓑として機能していたことが明らかになり一転して悪名が広まった。

 ゴットリーブが1973年にプロジェクトのファイルの多くを破棄したため、「サブプロジェクト94」と「MKウルトラ」の全容は永遠に明らかにならない可能性もあるという。

 はたして「MKウルトラ」の一部は永遠に闇に葬られてしまうのか。未だ見ぬ「MKウルトラ」に関する機密文書が新たに公開されることを期待したい。

参考:「Daily Mail」、「CIA」ほか

関連キーワード:, , , ,

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

CIAの狂気「動物暗殺部隊」計画「サブプロジェクト94」脳に電極を埋め込まれ“生体兵器”と化した動物たちのページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで