不可能遊園地は可能か? 遠心力で人間を振り回すことに命を懸ける、鬼才ラスロヴィクス博士の架空絶叫マシーン
■ラスロヴィクス博士が考案した架空絶叫マシーンたち
これは先ほどの「高度運搬システム」の設計図だ。非常に緻密に書き込まれ、一見それらしくも見えるが重力の存在する地球においては博士が指摘する14時間という問題以前に、自重をどう支えるかといった問題や均等な加速度を維持する問題は解決不可能だろう。ドキュメンタリー映像中では、この観覧車の中で苦心する博士の様子が描かれているが、ティル・ノヴァクが語るようにラスロヴィクス博士の演技がとても素晴しく、モキュメンタリーであることをしばし忘れてしまう。博士は「高度運搬システム」の失敗から「何かすることを乗る人に与える必要がある」と語り、次なるアトラクションの設計に取りかかったのである。
設定では1993年に実用化されたこの「EXPANDER」は、搭乗者がボタンを押すことによって乗り物を支えている軸自体が伸びるという仕組みだ。ただこのアトラクションに関しても「設置場所が狭いとビルに当たってしまう」と、さも大真面目に当然の反省点を述べている。しかもあまり低い位置でボタンを押すと周りの人に当たってしまう危険があるとも指摘している。もしこんなものが実用化されたら危険極まりない代物であるが、どれも一度は乗ってみたくなるのは作者の思うつぼなのだろう。
その他、一旦加速したら止まると大惨事を招く超スリリングな「SPHEROTON」や、どこに飛ばされるか分からない「STEAM PRESSURE CATAPULT」など博士のアイディアは尽きる事を知らない。というより乗っている人の命の方が先に尽きてしまうのが問題というわけだ。
映像はCGで作られた乗り物をマッチムーブという方法でメラの動きと一致するように実際の遊園地の映像に組み込まれており、まったく区別がつかない(詳しく知りたい方はティル・ノヴァク氏のサイトで細かく紹介されているのでご覧頂きたい)。
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2024.10.02 20:00心霊不可能遊園地は可能か? 遠心力で人間を振り回すことに命を懸ける、鬼才ラスロヴィクス博士の架空絶叫マシーンのページです。アナザー茂、モキュメンタリー、架空、絶叫マシーンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで