現代のタバコは50年前よりも喫煙者を蝕んでいる?極めて高度に加工された現代のタバコの害
タバコが私たちの健康に与える悪影響については、すでに世間の常識として浸透している。公共の場での禁煙や分煙も当たり前となり、喫煙者はさぞかし肩身の狭い思いを強いられていることだろう。過去を懐かしむ人からは、「昔の人は四六時中タバコをふかしていたけれど、病気になどならなかった」という声が聞かれることもあるが、その真偽はともかくとして、現代のタバコは、過去のタバコよりも私たちの健康により大きな影響を与えているという。6月24日付けの英紙「The Daily Mail」が報じている。
今月、米国のNPO(非営利団体)「Campaign for Tobacco-Free Kids」は、啓発活動の一環として、過去50年の間にタバコがどのように変化したかを詳細なデータ分析とともにまとめ、インターネット上に公開した。それによると、現代のタバコには、より人々を惹きつけて依存性も高めるための様々な技術が投入されているという。
レブリン酸などの化学物質で煙をなめらかにして、不快さを和らげる。砂糖で「えぐ味」を減らし、煙を吸い込みやすくする。ニコチンが脳へと届くスピードを早めるため、アンモニアを加える等々……。これらの工夫は全て、喫煙者の数を増やし、タバコの作用を効果的なものにして、常習性を確実なものにしようと会社が取り組んできた、数十年にわたる大規模な研究の成果であるという。このような試みは当然、会社側の利益と結び付いている。
また公開されたレポートでは、多くの喫煙者が未成年でタバコを吸い始めるという事実をタバコ会社は認識しており、それらの「新規顧客」にさえアピールしようと慎重に画策しているとも指摘されている。
さて、このように極めて高度に加工された現代のタバコの害について、NPOに所属する医師は次のように警告する。
「現代の喫煙者は、1964年と比べて少ない本数のタバコしか吸わないものの、肺がんや慢性的な呼吸器疾患になるリスクは、より大きくなっている」
「タバコ会社は、利益を最大化するために大規模な研究を行ってきた。たとえ投入する技術が、商品をより危険なものに変化させようとも」
喫煙者のあなたがタバコに向ける愛は、企業に操作されたものかもしれない。
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