4歳の頃の絵で将来がわかる! 幼児期の絵と知能指数(IQ)の関係とは?
そしてこれらの絵と2回のIQテストを分析した研究チームは、絵と知能の間には明確な関係性があると結論づけた。4歳の時点で高いスコアの絵を描いた児童は、10年後にも高い知能を示す傾向があるということだ。
研究チームのロザリンド・アーデン博士は「この研究結果は、4歳の時の絵を描く能力とその後の知能の発育には強い結びつきがあることを示しています」と語っている。
また、この研究は双子の児童を被験者としていたこともあり、遺伝と芸術的才能の関連性についての研究も行われた。二卵性双生児がそれぞれ描く絵よりも、遺伝的結びつきの強い一卵性双生児は2人とも同じようなスコアの絵を描く傾向が高いことが分かったという。つまり芸術的才能は遺伝している可能性が高いということだが、「これをもって“芸術遺伝子”があるということにはなりません。子供の描写能力は観察能力にも大きく影響しています」とアーデン博士は述べている。
■絵は観察力を高め知能を育む
「我々は自分の心の中を誰かに見せようして絵を描いてます。そしてこの絵を描く能力は、文章を綴る能力と同様に人間ならではのもので、この能力のおかげで人類は情報を蓄え、文明を築くことができたのです」と、絵と文字を用いた情報伝達能力が知的活動の基礎であるとアーデン博士は語る。
とはいえ「もし我が子の絵が下手だったとしても悲観しないでください」とアーデン博士は世の親たちに向けて言葉を付け加えている。幼児期の絵と知能の関係性は今回の研究で証明されたものの、これは数あるうちの要素のひとつであり、遺伝的側面や環境的側面など、子供の後の知的能力の成長を左右する要素は他にもたくさんあるということだ。
絵を描くことで子供は周囲により注意を払うことになって観察能力が高まり、結果的に知的能力を培うことになるのだろう。最初に好奇心ありき、ということだろうか。ともあれ、現在4歳のお子さんを持つご両親にはとても興味深い研究結果ではないだろうか。
身近な家族や親族、あるいは自分自身が4歳の頃に描いた絵がどこかにあるならば、ひっぱり出して見てみるのも一興だろう。果たして今回の研究の通りなのかどうかは、ご自身の判断にお任せするしかないが……。
参考:「Daily Mail」、「Psychological Science」ほか
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