ヴァンパイアの骸骨発見か? ブルガリア古代都市の廃墟で儀式の痕跡
古代都市の発掘中に胸部に鉄の杭を打ちこまれたヴァンパイアとおぼしき骸骨が見つかった。一体何を意味しているのだろうか!? 英紙「Mirror」が伝えている。
■鉄の杭で胸を貫かれた遺体
発掘作業を行っているのは“ブルガリアのインディ・ジョーンズ”こと、考古学者のニコライ・オフチャロフ教授。人生を古代文明の謎の解明に捧げて各地を放浪しているという。
教授はブルガリアで昨今最も話題となっている古代遺跡ペルペリコンで発掘作業を行っていた際に今回の墓を発見した。ペルペリコンはわずか20年前に発見されたばかりの遺跡で、紀元前5,000年前頃から人が住んでいたと考えられており、その研究に注目が集まっている。
教授は「ここで吸血鬼退治の儀式が行われていたのは間違いありません」と断言する。骸骨は13世紀に死亡した40~50代の男性のものと推測されているが、なんとその儀式に則り鉄の杭(鋤の刃に使用されていた鉄の棒)で胸を貫かれているということだ。
中世では吸血鬼は、一度死んだ人間がなんらかの理由により不死者として蘇ったものと考えられていたため、死体が蘇って人間を襲うのを防ぐために杭が打ち込まれていたのだという。当時は犯罪者や自殺者、惨殺された者や事故死した者等、普通ではない死に方をした人々に対し、しばしばこの様な儀式が行われていたようだ。
■“吸血鬼”の遺体が多く眠るブルガリア
ペルペリコンではギリシャのワインと豊穣を司る神、ディオニシウスを祀った寺院や要塞、神殿、そして多数の吸血鬼の墓が見つかっている。ブルガリアでは2012年、2013年にもソゾポルという都市で同様の墓と骸骨が2体発見されており、“ソゾポルの吸血鬼”と呼ばれている。
ソゾポルの吸血鬼の遺体は歯も引き抜かれており、やはり死者が吸血鬼に変身するのを防ぐように当時の村人たちが予防的に行ったもののようである。こういった骸骨は現在までに100体ほど見つかっているという。
吸血鬼の民話や伝承は世界各地にあるが、特に東ヨーロッパ地域では盛んで、古くは4世紀頃に遡る。現代の「ヴァンパイア」という名前や容姿のイメージがついたのは18世紀頃であるが、一部の農村部では、今だに古来の吸血鬼伝説が色濃く残る土地もあるとか……。さらなる調査と解明を待ちたい。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Mirror」ほか
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