Wi-Fi電波を“聴く”! 難聴だからこそ気づいた「聴覚デバイス」の大いなる可能性とは?
■可能性が広がる聴覚デバイス
今回のスウェイン氏のプロジェクトを健常者の目から見ると明らかに腑に落ちない点がある。それは、電波状況のデータを示す3次元マップの作成はWi-Fi電波を実際に音に変換して聴かなくとも、iPhoneアプリで収集したデータだけで可能だと思える点だ。しかしながら立場を変えて視覚に障がいを持つ人々のことを考えれば、実用性はともかく、Wi-Fiの電波を音で認識できるこの技術は、ないよりはあったほうがよさそうにも思えてくる。
「(今回のプロジェクトを)皆さんはきっと奇妙に思うでしょう。しかしこの技術(データを音で認識する技術)は今後、すぐにでも普及しますよ」と語るスウェイン氏だが、どうやら彼の目指すものは今回のプロジェクトよりもずっと先にあるようだ。「刻々と変化するダイナミックな広域データを扱うには聴覚は素晴らしい感覚器官です。これからはじまる聴取技術のイノベーションを手助けしていきたいですね」と彼は聴覚を活用したデバイスの大きな可能性を指摘している。
人間の視覚に大きく依存している現在のIT技術であるが、確かに聴覚が持つ可能性をもっと考えるべきなのかもしれない。スウェイン氏のビジョンには「グーグルグラス」の補聴器版とでもいえそうな、ウェアラブル聴覚デバイスの登場も描かれているという。今後どのような聴覚デバイスが登場するのか引き続き、注視ならぬ“聞き耳”をたてていきたい。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」ほか
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