「障害をもつ夫とのセックス」を他人が勝手に評価するな! 妻が世論に反論
2008年に公開された『人のセックスを笑うな』という映画をご存じだろうか。衝撃的なタイトルとは裏腹に、年の差を越えて純粋な恋に落ちていく2人の男女を描いた作品だが、タイトルの由来は、作者いわく「本屋で、同性愛の本の棚の前でクスクスと笑っている人を見た時に思ったことばである(Wikipediaより)」なんだそうだ。
さて、今回は身体的障害をもつカップルがネット上の人々に笑われ、本人たちがその意見に対して「違う、わたしたちは素晴らしい性生活をおくっているのだ」と跳ね返した一連のトピックについて、イギリス大手タブロイド紙「Daily Mail」からのセンセーショナルな記事からお届けしていきたい。
■出会いは友人の紹介。誰が何と言おうと「幸せ」だと主張するカップル
アメリカ・アリゾナ州スコッツデールに住む2人のカップルがいる。ミンディー・クニス(36歳)とショーン・スティーブンソン(35歳)だ。2009年に共通の知人を通して知り合ったという2人は出会ってまもなく付き合いはじめ、2012年9月14日にシカゴの式場で結婚した。
たとえば一部の女性が望む「高身長な男性と付き合いたい」という考えはミンディーには当てはまらず、むしろ彼女にとって、そんなことはどうでもよかったのだという。
身体的障害をもつ夫ショーンもまたこの結婚に大変満足しており「私はこの女性と結婚していることが喜びで、毎日8千回は“愛している”と伝えているよ」と語っている。妻であるミンディーもまたそんな夫ショーンを愛する、文句のつけようがないほどにお互いを必要とし合い愛し合う理想のカップルなのだ。
ただ、夫であるショーンがもつ疾患は、想像を絶するほどの苦痛と困難を乗り越えざるを得ないことだけは説明する必要があるだろう。
■骨形成不全症を持って生まれ、大事故によって85.3センチの体となった夫
それはおそらく、夫であるショーンの姿を見た人なら多少なりとも思う気持ちがそうさせるのだろう。“一般的”な男性とは明らかに違う低い背丈、短い脚、それに起因した車イスでの移動……。
察しの通り、夫ショーンは生まれつき身体障害をもっている。骨の形成および成長に著しい影響を与える骨形成不全症という疾患で、様々な臨床像がありつつも全てに共通しているのが骨の脆弱性だ。
彼が18歳になるまでに、足、腕、首、鎖骨、足首、大腿骨、鼻などを含むかなりの部位に及んでなんと200ヵ所もの骨折を経験していた。さらに、時を同じくして18歳の時、車イスに乗って犬の散歩をしていたショーンに降りかかった大ケガによって、その後の人生は大きく左右されることとなったのだ。散歩中、ふとした衝撃で車イスから転倒したショーンは、足首、大腿骨、頭蓋骨、膝、臀部までをも含む体じゅうに怪我を負った。
この大ケガからもわかるとおり、ショーンのような疾患のない人…、すなわち私たち一般人にとっては何でもないような段差でさえも、ショーンにとっては致命的な凶器となり得るのだ。そのため、ショーンはむやみな一人行動はとれず、ひとつひとつの行動にも注意を払って行う必要があるのだとか。そんなショーンの身長は、一般的な成人男性とも、また妻であるミンディーよりもはるかに低い85.3センチほどなのである。
しかし、ショーンはこの出来事を「悲惨な事故」とは受け止めてはいなかった。「それは、ただ私の人生に起きたひとつの出来事で、人生の一部です。そしてそれは、あまりにも多くの贈り物としてわたしに起きたこと」と――。
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