フィボナッチ数列の美しさがわかる幻想的な映像!
「数式」を美しい、と表現する人もいるが「数式」と聞くと苦手意識を持ってしまう人も多いのではなかろうか。一般の人には数式の“美しさ”はなかなか理解することは難しい。しかし驚くなかれ、今まで机上で二次元表現のみで考えられていた数式を三次元で可視化したところ、なんとも精巧で繊細なアートになったのだ。目に見える美しい数式のオブジェに、数学への印象も変わるかも?
■フィボナッチ数列を可視化すると…
数学におけるフィボナッチ数列とは、最初に「1、1」があって、次の数は「前の2つを足し算する」ことで続いていく数列のことだ。「1、1」の次は「1、1、2」となり、その次は「1、1、2、3」、さらに「1、1、2、3、5」と以下どんどんと続いていくのだ。
このフィボナッチ数列といわれる数式はカタツムリの渦巻きやミロのヴィーナスの人体比など我々の身の回りに数多く現れる数列である。他にもひまわりの種や松ぼっくりの螺旋などの自然界の構造にも現れていて、子どもの頃にそれらの不思議な羅列に目を奪われた方も多いのではないだろうか。
数式までもがアートになる?
数学で頭を悩ませた数式の数々も「数楽(すうがく)アート」で可視化されると立派なアートになる。
「数楽アート」とは、数学の2変数関数を金属加工技術の駆使により立体グラフ化した、ステンレス製アート・オブジェのことで、東京・大田区の“下町ハイテク工場”のひとつである「大橋製作所」などが製品化している。この「数楽アート」は見る者が「数学・数式とは何か?」を原点から捉え直すことができる教育ツールとして大きな社会貢献を果たすと期待されている。
数式は突き詰めれば宇宙へつながるとさえ言われているが、世界初のステンレスで出来たこのオブジェの精巧さとその美しさは確かに“宇宙へのロマン”を抱かせてくれる。これまでCGでしかみることの出来なかった関数の幾何学構造の繊細さが三次元で表現されたのだ。
他に水面の波紋までも数式で表現したものもあり、数式はさっぱりな筆者であるが思わず見入ってしまうこの美しさだけは分かる。すごいな、数式!
まさに「数学はアート」という言葉がぴったりである。植物や人体などまったく関係性のないところに現れるこれらの数式に何らかの不思議なつながりがあるように思われてならない。幾何学な数式が織り成す繊細なこの美しさをあなたには解けるだろうか。
(文=福島沙織)
参考:「数楽アート」ほか
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