勉強してもムダ?「頭の回転の速さは遺伝(CADM2)で決まっている」【脳科学】
■「遺伝」vs「環境」
人間の知能が「遺伝」で決まっているなんて、夢のない話だ、と嘆くなかれ。今回発表された“CADM2遺伝子の変異がある人は情報処理速度が下がる傾向がある”という研究結果に対し「これだけで頭の回転の速さは遺伝、と決め付けるには早計である」と反対意見が多いのも現状である。
実際に“遺伝”がどの程度知能に影響するのか線引きが曖昧なところではあるが、同じ遺伝子を持った一卵性双生児を調査したところ、遺伝子が知能指数に与える影響は50%であったという。では残りの50%はというと環境や生育条件などで変わってくるというのだ。「頭の回転の速さ」=「知能指数の高さ」と定義づけるつもりはないが、現代の子ども達の栄養状態や学校教育の向上に伴いここ30年で知能指数(IQ)が15ほど上昇する「フリン効果」が多くの国で確認されているのも事実である。一説によると「遺伝子は30年くらいではさほど変化は起きない」ということなので環境により知能が向上するのは確かではなかろうか。
なぜ頭の回転の速い人は他者よりも効率的な考え方ができるのか、という生物学的な基盤を理解する上で今回の発見は大きな進歩であろう。しかし「蛙の子は蛙」とはよくいったものであるが、「とんびが鷹を産む」ということわざもある。結局のところは、どんな人でも「日々どのように頭を使っていくか?」で結果に変化がみられるのだろう。
(文=遠野そら)
参考:「Daily Mail」、「Gene Cards」ほか
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