勉強してもムダ?「頭の回転の速さは遺伝(CADM2)で決まっている」【脳科学】

 機転が利く、臨機応変に対応できる、頭の回転が速い、1を聞けば10を理解できる――。頭が良いと言われる人の印象はさまざまであるが、勉強以外でも頭の良い人というのは概ね成功しやすいものだ。昔から「天才は生まれつきか、環境か」について議論されてきたが、ここにきてひとつの結論が出たようだ。4月16日、英「Daily Mail」紙が報じたところによると、頭の回転の速さは遺伝によるものであり後天的に作られるものではない、という研究結果が発表された。


■「CADM2」遺伝子は自閉症や人格特性にも関連か?

勉強してもムダ?「頭の回転の速さは遺伝(CADM2)で決まっている」【脳科学】の画像1「Daily Mail」の記事より

テレビ番組でポンポン小気味よく笑いをとる芸人や知識が豊富な文化人のコメントなど…。これら「頭の良い人」にすべて共通するのは、その先にある答えをスムーズに導き出す思考能力であるという。いわゆる「頭の回転が速い」といわれるものだが、この頭の回転の速さに遺伝子連鎖が関連していることを裏付ける証拠が“ゲノム疫学における心臓と老化研究コホート(CHARGE)”の共同研究によって初めて発見されたのだ。

 まず研究対象として世界12カ国から認知症を発症していない45歳以上の男女3万人を選び出し、簡単な認知力テストから認知機能検査を行った。研究チームが「思考速度」や「関連した遺伝子の変化」を特定するため、ゲノム(遺伝子群を含む染色体)を注意深く観察したところ、細胞間の伝達に深く関係する“CADM2”という細胞接着分子に変異体が見られる人は記憶力・思考力などの情報処理速度が遅いということを突き止めたのだ。

 この結果から、CHARGEはこの研究において“CADM2”が細胞間の伝達において密接に関係していることが認識できたとし「“CADM2”は自閉症や人格特性にも関連しているのでは?」と関心を深めている。またエディンバラ大学老化疫学センターのイアン・ディアリ教授によると「この脳の動作を解明することにより、高齢に伴う知能の衰退に対抗する開発にもつながるのではないか」と脳の老化予防の面からも可能性に期待が高まっているようだ。

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