英王家の滅亡が迫っている!? ロンドン塔の女王カラスが謎の失踪、17世紀の恐ろしい伝説と“不吉な予兆”に全英震撼!

 ロンドン東部のテムズ川沿いに建つロンドン塔(Tower of London)は、世界遺産であると同時に、ロンドンきっての人気観光スポットだ。所蔵するクラウン・ジュエルは一見の価値あり。また、幽霊の目撃談が後を絶たず、話題に事欠かない。

■ロンドン塔の“女王カラス”が行方不明に

 そもそも、ロンドン塔の始まりは城塞だったが、そのいかつさ故に監獄の機能も果たし、なかなか血なまぐさい歴史を持つ。スコットランドの女王メアリー・スチュアートが19年に及ぶ幽閉の末、断頭台の露と消えた悲劇はあまりに有名だ。それ以外にも濡れ衣や陰謀、君主のご都合主義がうずまき、理不尽に処刑された人々の怨念がそこここに染みついているらしい。

英王家の滅亡が迫っている!? ロンドン塔の女王カラスが謎の失踪、17世紀の恐ろしい伝説と不吉な予兆に全英震撼!の画像1
画像は「Wikimedia Commons」より

 もう1つ、ロンドン塔には忘れてはならないアイコンが住んでいる。ワタリガラス(Raven)だ。その大きさからオオガラスとも呼ばれるが、西洋では“不吉の兆し”とされ、忌み嫌われている。というか基本、日本でも嫌われている。

 ロンドン塔の古い言い伝えによれば、チャールズ2世が「ロンドン塔に住む6羽のワタリガラスが去ったなら、ロンドン塔=イギリス王家は滅びる」という占い師の言葉を信じたそうな。以来、今日まで塔内にはワタリガラス6羽プラス予備の1羽が放たれ、飼育されているそうだ。

 実は最近、このカラスに不吉な異変が起こっている。

「2007年、メルリナと名付けられた雌が、ロンドン塔のカラスコミュニティに加わり、現在『塔のクィーン』として君臨しています。その彼女が少し前から行方不明となっており、最悪どこかで息絶えてしまった可能性も否定できません」(今年1月13日付、「ロンドン塔」広報担当のツィートより)

英王家の滅亡が迫っている!? ロンドン塔の女王カラスが謎の失踪、17世紀の恐ろしい伝説と不吉な予兆に全英震撼!の画像2
「Live Science」の記事より

 ロンドン塔名物、黒地に赤ラインの制服でおなじみの彼らは塔内のガイドと思われがちだが、れっきとした近衛兵隊(ビーフイーター)であり、鳥たちの世話も任務の一環だ。飼育係「レイヴンマスター」を務めるクリストファー・スカイブ氏によれば、メルリナは「自由奔放な女王様カラス」だと話す。

 ワタリガラスの風切り羽は、塔から遠くへ飛び立たないよう定期的に切られている。そのため、短距離なら問題ないが、冒険心のおもむくまま遠くへ飛んでいってしまうと、戻って来れなくなることもあるという。実際、2011年には現在飼っているカラスの1羽、ムニンがグリニッジ(ロンドンから8キロ)まで遠征して、1週間後に連れ戻される事件があった。

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