撮影:殿村任香
――同じく高校時代にはキューバへの旅も経験しています。
コムアイ:畑に興味をもつよりも少し前ですね。2007年くらいから原発の反対運動をしていて、制服でデモにも参加していたんです。けれども、その活動に疲れてしまって、反対運動ではなくポジティブに暮らしている人たちを見たいと思いました。旅費もなかったので、企画にしてお金を集め、3週間滞在していたんです。
――ちょっと変わった人というだけでなく、もともと活動的に歩んできたんですね。そんなコムアイさんの人格は、どのようにして形成されたんでしょうか?
コムアイ:わかんないんですよね……。両親は普通で、どちらかというと保守的な人です。唯一考えられるのは、親が旅行好きだったから3歳くらいまで海外10カ国くらいに行っています。幼稚園の時には2カ月間ハワイの山奥で母親と生活して、ずっと遊びまくっていました。そういうことも影響してるのかもしれません。
――「普通」ではないような気がしますが……(笑)。
コムアイ:でも、父親なんて会社員として毎朝決まった時間に起きてデスクワークしてるんですよ! 私にはムリとしか思えないです。
■個性的な活動の奥にある意図
――ところで、イベントでポケットテンガを配布したり、ラブドール(ダッチワイフ)の営業をしたいとも語っています。性に対しても興味があるのでしょうか?
コムアイ:もしも、カンパネラがなかったらどのような仕事をしたいかと考えた時、ラブドールの営業くらいしか思いつきません。以前、オリエント工業のラブドールを見た時に、人形と暮らすことの意味について考えたんです。亡くなった娘に似せたい親、妹に似せたいシスコンの人……と、ラブドールのニーズは本当に色々です。そういった人と向き合って、人形とどういう生活を送りたいのか聞いてみたいですね。ヌード写真家の知り合いもいるし、緊縛などのフェティッシュな趣味の世界を覗くのも好き。ただのエロではなく、人とは異なった欲望や性癖に興味があります。