【都市伝説】知られざる市ヶ谷駅周辺に出没する! コオロギ男「コロコロさん」の正体とは!?

■「コロコロさん」の正体は……!?

 単なる都市伝説ではないかと思われていた「コロコロさん」だが、ある男性の死によって真実味を帯びることになる。以下は某番町界隈マンションの管理人Aさん(男性63歳)から筆者が直接聞いた話である。

 同マンション内でコオロギ飼育をしていた男性Bさん(44歳)。コオロギ飼育に夢中になりすぎるあまり、部屋の所狭しにコオロギを入れた衣装ケースを置いていた。管理人Aさんの目撃によると、その数30箱以上あったそうだ。

 やがてBさんは勤めていた会社を辞め、妻子にも逃げられると、より一層、コオロギの飼育に熱心になった。しかし、素人が行うコオロギ飼育などしょせん高が知れており、取引するペットショップ、研究室などは皆無だった。

 飼育の数を増やすか、あきらめて再就職をするか、困り果てたBさんは、結局、あきらめきれずコオロギ飼育はそのままに、道路工事の交通誘導のバイトで日銭を稼ぐことにした……。当初は真面目にバイトに行っていたのだが、40歳を過ぎてからのバイトでの人間関係、単調な作業、低賃金など、すべてに嫌気がさし、飼っていたコオロギをポケットに忍ばせ、仕事中、路上にばら撒いた。そして、走る車のタイヤに轢かせてストレス解消をしていたのだ……。この愚行を年下の現場監督に見つかると、殴る蹴るの半殺しの目に合わされたという。それが原因で挨拶もなくバイトを辞めてしまった。

 それ以後、貯金を切り崩しながら生活をしていると、すっかり労働意欲も失せてしまった。ひきこもり状態になったBさんは時折、深夜に奇声を発していたため近所でも不気味がられていた。さらに家賃を滞納するといった、マンション内のトラブルを起こすようになった。管理人Aさんは、たまにマンション内でBさんを見かけたそうだが、日増しに痩せこけていくのが分かったという。「大丈夫かい?」と、声をかけたこともあったそうだが、返事もせず部屋に入っていってしまったそうだ。

 ……それから10カ月後、Bさんが部屋で亡くなった。

 検視担当によると、死因は窒息死。貯金も尽き果てていたのだろう。部屋、冷蔵庫には食べ物がなにひとつなかった。胃の中からは大量のコオロギが発見されたことから、警察発表ではコオロギを喉に詰まらせたのが原因だということが分かっている。

 この事件後、マンション住人や近隣で「コロコロさん」の正体はBさんなのでは? という噂が立った……。世にも不思議な都市伝説だが、深夜、市ヶ谷を歩いている時に「コロコロ」という音がしてきた時にはくれぐれも注意されたし。
(文=traveling編集部)

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