【衝撃の最新映像】再燃するKKKの極秘活動にカメラが潜入! メンバー増員中か?

 今年5月、ミズーリ州セントルイスの牧草地でKKKの集会が行われた。英紙「Daily Mail」によれば、ここは昨年、白人警官による黒人射殺事件がきっかけで暴動があったファーガソンからほど近いそうだ。子どもの参加者もいて、下は12歳だという。メインイベントである巨大十字架を燃やす儀式では、子どもたちはテントから顔だけ出し、ことの成り行きを見守っていた。約10メートルの十字架がメラメラと炎に焼きつくされる様は圧巻だろうが、こんな衝撃的シーンを目の当たりにした子供たちの行く末が心配になる。

「The Traditionalist American Knights(伝統主義者アメリカの騎士)」は、ファーガソン近郊で急成長中の一派だ。ここで「インペリアル・ウィザード」をしているフランク・アンコーナ氏は「白人は優秀な人種」と明言してはばからない。だが、このセリフには聞き覚えがある。そうだ、TOCANAで以前紹介したKKKの最高幹部にして、現在はカリブ海の小島でリゾート満喫中のビル・ウィルキンソン氏も全く同じことを言っていた。そして両氏とも「俺たちは人種差別主義じゃない。そんなこと俺のイデオロギーに反することだからね」と平気でうそぶく。

 映像を見ていると、あることに気がつく。それはKKKのメンバーには、誰一人としてハッピーな顔をしている者がいないということだ。たとえ笑っていても、どこか険しく、不安感をひた隠したようなナーヴァスな笑みでしかない。誰かを激しく憎悪するとき、人は自分の幸せまで手放してしまうということだろうか。特に女性は罪悪感を「一体感」とすり替え、自分で納得しようとしている節があり、痛々しい。たとえば、KKKのコスチュームを手掛けるリンダは「自分の人生でなにかが足りないって感じてたの。で、KKKに参加したらようやく満たされたっていうか……」と、つぶやく。ヴァ―ノン監督の「なにが欠如してたと思う?」の問いには「たぶん、自信かな。昔は情緒不安定だったし、劣等感の塊だった。でも、今ようやく人並みになれた気がする」と、ぎこちなく答えた。聞けば聞くほど宗教くさい話だ。

 では、何故ここまでKKKが広がりを見せているのか。必死に働いても報われない現代のアメリカ社会に苛立ちを募らせたプア・ホワイト層が、怒りの矛先を黒人に向けたと考えるのが大方の見方だろう。慈悲心を失い、誰かのせいにしたいと「犯人探し」に明け暮れる哀しい人間の姿が浮かび上がってくる。そしてこれは病めるアメリカの暗部であるが、はたして対岸の火事で済むかどうか、心もとない。
(文=佐藤Kay)

参考:「Daily Mail」、「BBC」ほか

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