水子供養を謳い文句に数億円! 茨城県・詐欺寺、生臭坊主どもの夢の跡とは?
だが、大半の悪徳商売がそうであるように、急成長しすぎた同法人は、そのあまりにえげつない商売スタイルから、次第にクレームが寄せられるようになり、損害賠償請求が殺到することに。ここに、本覚寺を舞台とした霊視鑑定ビジネスは、一旦その幕を閉じることとなった。
しかし、どのような人間であっても、いや、一度成功してしまった人間であればこそ、過去の成功パターンに固執するものである。件の設立者は一度覚えてしまった蜜の味を、忘れることはできなかった。
彼はケチのついてしまったこの本覚寺をさっさと捨て去り、今度は実質的に休眠状態となっていた和歌山県・高野町にある明覚寺の買収を行うと、茨城から遠く離れた近畿地方で、新たに同様のビジネスを展開しはじめた。だが、一度ケチのついたものはそううまくいくものではない。こちらもすぐさま訴訟が相次ぐようになり、ついには警察沙汰となってしまう。
まず、系列の満願寺(名古屋市)の僧らが逮捕され、1999年にはその違法性を認める判断が管轄の文化庁から下された。それを受け、和歌山地裁は2002年1月、同宗教法人に対し解散命令を出すこととなった。その後も、設立者の男と明覚寺は控訴を続け、最高裁まで争うものの、結局はその判決が覆ることもなく、国内においてはかの地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教に次いで2例目の、「犯罪を理由とした解散」を迎えることとなったのだ。
詐欺寺や生臭坊主どもの夢の跡。実業家という名のブローカーと、生臭坊主たちが結託する形で手に入れた泡沫の成功は、被害者たちの怨嗟の声にまみれながら、ここに灰燼と化したのである。
(写真・文=Ian McEntire)
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊水子供養を謳い文句に数億円! 茨城県・詐欺寺、生臭坊主どもの夢の跡とは?のページです。詐欺、Ian McEntire、荒れ寺、霊感商法などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで