洪水後に流行する危険な感染症?目が“ゾンビ化”する「レプトスピラ症」の恐ろしさとは?

 今月9日以降、台風18号から変わった温帯低気圧の影響で、北関東では記録的な大雨を記録。茨城県や栃木県では、堤防決壊や土砂崩れによる深刻な洪水被害が発生した。現在も家屋に取り残された人々や、土砂に巻き込まれた人々の救助活動が続いている。現在、大雨の中心は東北地方や北海道へと移っており、該当地域では十分な警戒が必要だ。

洪水後に流行する危険な感染症?目がゾンビ化する「レプトスピラ症」の恐ろしさとは?の画像1画像は「ANNnewsCH」より引用

 ところでこの大災害の中、各地で中高生ツイッターユーザーによる「バカッター」画像の投稿が相次いでいるという。辺り一面を覆う濁った水に水着で入り、浮輪を抱えて遊ぶ姿を披露して楽しんでいるのだが、実はこのような行為は極めて危険だ。溺死の可能性以外にも、不衛生な水に触れることによる感染症のリスクがある。世界の洪水被災地域では、腸チフスやコレラ、A型肝炎、マラリア、デング熱などが蔓延するケースも多い。衛生環境が異なるとは言え、これらの感染症が決して国内で起きていないわけでもない。今回は、洪水後の被災地で発生する可能性のある感染症「レプトスピラ症」について紹介しよう。

 ワイル病、秋疫(あきやみ)、用水病とも呼ばれる「レプトスピラ症」は、人獣共通の細菌感染症である。病原体はドブネズミなどの動物の尿中に存在し、汚水を介して傷口・経口感染する。潜伏期間は5~14日間。発症すると頭痛・高熱・結膜の充血など風邪に似た症状を示すが、重症化すると肝臓や腎臓障害を伴い、エボラ出血熱レベルの全身出血を引き起こし、死に至ることもある。

洪水後に流行する危険な感染症?目がゾンビ化する「レプトスピラ症」の恐ろしさとは?の画像2画像は「Hannah in Fiji」より

「レプトスピラ症」が重症化した患者の表情は、なかなか衝撃的だ。白目が黄と赤に変色し、まるでゾンビのような目つきとなってしまうのだ。治療が可能な症状とはいえ、このような変化を目の当たりにすると、周囲の人間が受けるショックは大きいだろう。

 普段耳にすることのない名前であるため、どこか遠くの国で流行する類の感染症だろうとたかをくくったら大間違いだ。実は今から3年前、2012年7月に九州北部を襲った豪雨のあと、国立感染症研究所は「被災地で最も注意すべき感染症」として、この「レプトスピラ症」を挙げて警告しているのだ。レプトスピラ菌は国内のいたる所に存在するため、この感染症が日本で蔓延する素地は充分にあると考えられるというわけだ。

 洪水は生命に直接的な危険をもたらすのみならず、発生後にもさまざまな脅威を引き起こすものだということを忘れてはならない。
(編集部)


参考:「国立感染症研究所」、「Hannah in Fiji」、ほか

関連キーワード:, , , ,

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

洪水後に流行する危険な感染症?目が“ゾンビ化”する「レプトスピラ症」の恐ろしさとは?のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング11:35更新