繊細で美しすぎる!! 死刑囚が描いたイラストが新刊小説『迷宮の飛翔』の挿絵に! 【埼玉愛犬家連続殺人事件】
大道寺幸子基金(昨年、大道寺幸子-赤堀政夫基金と改名)による「死刑囚表現展」に、風間は絵画を出展し続け、2014年には表現賞を受賞している。
死刑囚の絵の展覧会は、京都の東本願寺や広島県福山市の鞆の津ミュージアムなどで、開かれてきた。蜷川泰司は、そこで風間の絵に出会ったという。
風間は22年近く、東京拘置所の独房で過ごしている。ふた昔前と言えば、パソコンも携帯電話も珍しく、スマートフォンなどは想像さえされていなかった時代。FacebookもTwitterもLINEもなく、今とは別世界だ。
獄中で作画する困難さを語った風間の言葉が、『迷宮の飛翔』のあとがきに記されている。
「社会では今、知りたいことは何でもパソコンですぐに調べることができるようですが、ここではスイカの柄にしろ、車の形にしろ、手探りです」
加えて連絡の困難さがある。アメリカでは死刑の残っている州でも、確定死刑囚と文通したり、電話、面会したりできる。だが、ここ日本では、確定死刑囚と面会、文通できるのは、親族と拘置所が認めた限られた知人のみである。
作家から、このような絵を描いて欲しい、と直接注文することはできない。作品への希望や、できあがった絵に対する感想はパンフレット形式にして、文通ができる支援者に託すという形で作画は進められた。塀を越えた困難な交流は、逆に豊かなイマジネーションを産み、作家の意図を超える絵ができあがった。
物語がやがて作者殺しを試みるという、狂気を孕んだ不条理な小説。風間博子の絵は、この小説の幻視的世界を際立たせている。
(文=深笛義也)
■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ。
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