自殺、ヒトラー、性的倒錯… あなたの知らないパリ・エッフェル塔の知られざる10のはなし
■7.毎時行われる光のショー
エッフェル塔では夜明けまで1時間に5分間、光のショーが行われる。新年にはお祝いのために、毎時10分間のショーが行われる。これで安眠妨害を理由にエッフェル塔を爆破しようとする第二の犯罪者が出ないといいのだが……。ちなみに毎年7月14日は、フランス共和国の成立を祝う日であり、ライトアップに加え花火のコラボレーションが見られる。この盛大なイベント目当てにパリに来る観光客も多いという。
■8.自殺を図るも駐車中の車に落ちて一命を取り留めた女性
自殺を図るも駐車中の車に落ちて一命を取り留めた女性がいた。このことは不幸にもエッフェル塔が自殺の名所であることを物語っている。助かったこの女性は非常に稀なケースである。女性が身を投げたのは1階、地上52メートルの地点。ちなみにこの女性はその後、車の持ち主と結婚し今では幸せな暮らしを送っているという。エッフェル塔での自殺は1000人以上とかなりの数字だ。このことはフランス政府にとっても重要課題になっているせいか、この数字も公に発表されることは稀である。
■9.もともとは赤色だった
建設当初は赤色にペイントされていた。想像するに東京タワーとかなり似ていたのではなかろうか。東京タワーが今でも派手な赤と白のペイントなのは、実のところ「ある一定の高さを超える建造物には赤白の塗装を施す」という航空法の規定に基づいていたものなのだ。どこからでも目立ってしまうのではなく、危険回避の為にわざと目立つようにペイントされているのである。
一方エッフェル塔は今では時が過ぎ、一見鉄骨のサビがいい具合に風合いを醸し出しているように見えるが、実はこちらもちゃんとペイントされているのだ。景観を重視するパリ市は、街路樹の多いパリの街に馴染むように、との配慮から「木立の色」それも、葉の落ちた秋の木々をイメージした色によってペイントされているという。しかも、一色のべた塗りではなく、高さに応じてグラデーションがかかっているというから、実に芸が細かい。
■10.意図的にエレベーターを切断した時があった
第二次世界大戦中、フランスのエッフェル塔のエレベータのケーブルはある理由の為に切断された。それはヒトラーがパリを訪れた際に一番の高台に登らせないためであった。もし意地でも登ろうものなら、相当数ある階段を登らなくてはならなかったのだ。1940年6月14日、パリはドイツ軍によって無血占領され、フランスは降伏した。6月20日、休戦条約の署名がおこなわれ、3日後の6月23日、ヒトラーはお忍びでパリの名所観光をしている。わずか3時間のパリ見物だったが、ヒトラーは「パリを見物するのが私の夢だった。今日、その夢がかなって、とてもうれしい」と語っている。エレベータは1946年に修復された。
依然として混乱状態にあるパリであるが、長年に渡ってパリ市民を見守り輝き続けたエッフェル塔のように、希望を失わず輝きを一刻もはやく取り戻して欲しいと切に願う次第である。
(アナザー茂)
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