【音アリ】破壊的神秘!母なる地球の息吹を奏でる「海のオルガン」
■緻密な計算の上に生まれる奇跡の音
海からの波に加え、運河を行き来する船やフェリー、タンカー等からの波や、天候の条件がうまいこと重なるとまるで催眠術のような音がでることもあるそうだ。この「海のオルガン」を設計したのは、世界的に有名なクロアチア出身の建築家、ニコラ・ベイシック氏(1946〜)だ。ベイシック氏は、太陽エネルギーを利用し、ソーラーパネルに集めた電気を日暮れの後、色とりどりの光に変換するという「希望の光」というプロジェクトを同じアドリア海で行うなど、自然を利用したアートを数多く手がけている。
設計者による建築前のスケッチを見ると、内部構造がよく分かる。しっかりと音階を作り出すためには事前の緻密な計算が必要であるのは言うまでもない。しかし、音のソースとなる波や風はランダムな要因を多く含むので、そのバランスに苦心したとベイシック氏は言う。これは建築アーティストであるベイシック氏だけでなく、施工業者にも細心の注意が求められる非常に困難を極める仕事である。しかしてちょっと不思議な雰囲気のあるスケッチだ。このスケッチ図を見て、階段に悪魔の群れが何やら企んでいる図かと初見で思ってしまったのは筆者の邪念であろう。
より綺麗な音声はこちらから聞くことが出来ます(3.4MB)。
■戦争と紛争に屈しない精神
実はこうしたプロジェクトが生まれた背景には、クロアチアの暗い歴史が隠されているのだ。第二次大戦によって有史以前から続いてきた美しいクロアチアの歴史を物語るザダルの海岸線は完全に破壊されてしまったのである。戦後なんとか復興を果たすも海岸線は、コンクリートブロックに覆われかつての美しさを見る影も無くなってしまった。
また1991年にユーゴスラビアから独立を果たすまでクロアチアは、民族同士が絶え間なく争う紛争地帯であった。クロアチアにおいても多くの都市や人々が犠牲になり、莫大な被害のもと、数多くの歴史ある多くの建造物が破壊されたのだった。こうした流れを組んで、かつての美しかった海岸線を取り戻すべく、都市計画の一環としてこの「海のオルガン」が、その後の平和と発展を願って2005年に作られたのである。
現在はEUの一員として発展しつつあるクロアチア、人々の願いと共に「海のオルガン」は希望のハーモーニーを奏で続けて欲しい。「海のオルガン」は、2006年に「European Prize for Urban Public Space」を受賞し、観光客はもちろん地元の方にも愛されている。
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