北アルバニアに住む“完全な男”として生きる女たち ― 結婚も性交渉も絶つ「宣誓処女」という人生とは?
2016.02.17 14:00
“彼”もまた、宣誓処女の1人だ 画像は「GQ」より
女性に生まれたというだけで人間としてのあらゆる権利を奪われ、男性の陰でひっそりと生きた人々の生涯は想像し難いものであっただろう。この厳しい環境から抜け出すために女性であることを捨て、残りの生涯を結婚せず自身の家族も持たず、性交渉もしないという誓いを立てて男性として生きていく人々を「宣誓処女」(Sworn Virgin)と呼んだ。中には一家に男児が生まれなかったため、財産を守るべく一家の女性1人が宣誓処女になるというケースもあった。
■男性になるためにしなくてはならない決まりとは?
見ているだけならば男性そのものだ 画像は「PetaPixel」より。Sworn Virgins of Albania by Jill Peters (via Feature Shoot)
女性が「宣誓処女」になるには周辺の村や集落の長老の前で誓いを立て、髪を短く切り男性用の服に身を包み、煙草を吸いながら男らしく振舞う。身のこなしが男性らしく見えるようになるまで日々練習をするのだ。誓いを立てた後に男性名に改名する者も多く、残りの人生をその名と共に誰とも結ばれることなく生きていくのだ。
宣誓処女であるということで、村人たちからは敬われ男性と同様の権利を得られるが、いかなる事情があっても誓いを破ることは許されない。誓いを破るという行為は重罪であり、以前ならば死をもって償うとされていたが、近年はそこまで厳しくはないようだ。しかし誓いを破れば当然、それまで所有していた権利は奪われ、周囲から拒絶されるというこの地域で生きていくには極めて厳しい罰則が待っている。
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