まだ何者でもない若者たちに、世間という名の姿の見えない化け物は、勝手な「正しさ」のようなものを無責任に要求する。何者でもないゆえの希望と絶望は背中合わせで、多感であるほどその振り幅は大きく、繊細な心の襞は引き剥がされ血を流し、息を吸うことさえ叶わずに翻弄される。
「自分的には恥ずかしくて見たくない。こんなの他人には見せられないという気持ちが正直に言えばある。いまだにこの状態が続いていると感じることもあるんだよね。でも、みんな同じなんじゃないかな。だから、あの頃の自分のような若い子たちに、『元気かい?』って」(石川竜一氏)