2300年前の古代ミイラが3Dスキャンで、生きているかのように復活! 最新テクノロジーで次々と明かされる新事実とは?

 医療現場をはじめ、さまざまな分野で活用されている3Dスキャナーだが、なんと今回病院で3Dスキャナーによって在りし日の姿が蘇ったのは、古代ミイラである。


■4体のミイラが3Dスキャナーで“精密検査”

 4体の古代ミイラを調査する研究チームの主要メンバーは医師3名、エジプト考古学者3名からなる計6名。ミイラ4体のうち3体はエジプト人、1体はスペイン領カナリア諸島に住んでいたグアンチェ族のもので、マドリードの国立考古学博物館に保管されていたものである。これらのミイラは同市内で最も最先端のスキャニング技術を持つ病院(HUQSM)に注意深く移送された。

 研究チームは包帯のような布でぐるぐる巻きにされていた古代ミイラを次世代CTスキャンにかけ、中が一体どんな様子になっているかを調べた。

2300年前の古代ミイラが3Dスキャンで、生きているかのように復活! 最新テクノロジーで次々と明かされる新事実とは?の画像1Daily Mail」の記事より

 スキャンは超高性能で、放射線量を低レベルに保ちながら非常に高い解像度を誇り、たった1回、対象物をX線で透過しただけでも驚くべき情報量が得られるという。身体を2000以上にまで分けた断面画像が得られ、対象物を容積や3次元で表示させて詳細に把握することができるのだ。

■グアンチェ族の男性の身体を再現!

 そしてその後、4体の中で最も保存状態の良かったグアンチェ族の男性(1776年に発見)の身体を3Dスキャナーで再現することに成功したのである。 

 その模様は来年の目玉ドキュメンタリーのひとつとして、現在スペイン国営放送RTVEが密着して取材中だ。

 茶褐色でリアルなまでに細部にわたって再現されたミイラはまるで2300年前に眠りについた、そのままの格好で現代に蘇っている。チームメンバーは細心の注意を払い、ミイラが生存した時代の文明の情報を可能な限り入手しようと、最先端の技術をもって挑んでいる。今後は死因や葬儀の方法など、当時の生活文化を知る上で興味深い事実が判明しそうだという。


■3D映像でバーチャルな展示も可能に

 エジプト考古学者のひとり、カルメン・ペレス氏は調査対象の古代エジプト人ミイラ3体について研究人生のほとんどを費やしてきたという。「今回の新しい手法で、多くの未知であった部分が解明されるはずで非常に楽しみです」と語る。前回ミイラのX線写真が撮られたのは40年も前の1976年だったそうだ。

 世界中の考古学研究グループもこの新しいテクノロジーを用いた手法に着目しており、イギリスやドイツ、アメリカではここ数年で古代ミイラにCTスキャンをかけてより膨大で詳細な情報を得ようとする流れになってきているという。このアプローチはまた、博物館の他の所蔵品を蘇らせる用途にも用いられ、例えばその品を現地まで出向き鑑賞しなくてもバーチャル博物館に公開して来訪者を楽しませるなど、斬新な展示方法が試みられているようである。

 雪山で発見された5000年前の氷に覆われたミイラが同じように3Dスキャナーで再現されたりと、今までになかった次世代的研究がスタートしている考古学の世界。さらなる研究の飛躍に期待したい。
(文=Maria Rosa.S)


参考:「Daily Mail」、「3D Printing Middle East」、ほか

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