人間の細胞をリンゴに移植、耳を作り出すことに成功! マッドサイエンティストのヤバすぎる人体再建計画とは?
近年目覚ましい発展を遂げている再生医療だが、今後広く実用化するためには、安全性の確立はもちろんのこと、細胞の大量供給や高額な費用といった課題をクリアしなければならないと考えられている。そして今、これらを一気に解決する糸口となり得る研究成果が発表されたとして話題になっている。なんと、リンゴから人間の耳を作り出せることが判明したというのだ。
■移植・再生医療が抱える大きな課題とは?
今月16日付の英紙「The Daily Mail」によると、再生医療に一石を投じる研究成果を学術論文サイト「PLOS ONE」と世界的講演会「TED」で報告したのは、カナダ・オタワ大学の科学者アンドリュー・ペリング教授だ。“バイオハッカー”を自称し、科学界では“マッドサイエンティスト”の異名をとるペリング教授のポリシーは、「慣習や常識にとらわれず、ゴミからお宝を見つけること」。つまり、ほかの科学者が見向きもしない方法で、画期的なアイデアを形にしようというのだ。
そして今回、教授が目をつけたのは、移植・再生医療が抱える大きな課題「臓器不足」と「高額な費用」の解決法だった。臓器移植のドナー不足を解消するカギは、患者自身の幹細胞から人工的に臓器を作り出すことにあり、その技術も着々と発展しつつある。しかし、従来の方法では複雑な行程を必要とするうえ、莫大な費用がかかってしまう。これらを一気に解決しようとする教授は、なんとモデルケースとしてリンゴから人間の耳を生み出す実験を試み、成功させたという。では、彼は一体どのようにリンゴを人間の耳に変えたのか?
■リンゴに人間の細胞を埋め込み……!
ペリング教授はまず、マッキントッシュ(日本名「旭」)と呼ばれる品種のリンゴを用意し、妻に人間の耳をかたどって切ってもらった。次にそのリンゴ片から、(DNAを含む)細胞の中身をすべて抜き取り、言わば“抜け殻”にする。この状態のリンゴ片は、原型を留めていても単に細胞壁と繊維から構成される「セルロース」である。博士は、この「セルロース」を耳の足場材料として、そこに人間の(DNAを含む)細胞を埋め込み、培養することで耳を作り上げることに成功したのだ。
「これは決して気持ちの悪い話などではないのです」
「リンゴが、ほかのものと比べていかに安価な足場材料になれるかということを示した点に、この実験の意義があるのです」
「キッチンで使う材料から人体再建が可能になる日が、本当に待ち遠しいですね」(ペリング教授)
現在、足場材料には一般的に実験動物や献体が用いられており、極めて高価であるうえ問題も多いのだとか。これをリンゴで代用して作り上げた組織を人体に埋め込んでも、問題はないと考えられるという。博士は今後、同様に私たちの身近なものを用いて肝臓、心臓、皮膚などを作ってみたいと語る。特に、脊髄を培養するためにはアスパラガスが最適ではないかと考えているようだ。
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