頭と体が別の人間、結合まで36時間 ― 2017年、史上初の頭部移植手術へ
ホラー映画さながらに別の人物同士の体と頭を切り離してつなげる「頭部移植手術」。以前トカナでは、この手術について熱心に研究する科学者とその成功を自身の体でと夢見る遺伝病患者についてお届けしたが、なんとその手術が来る2017年12月に本当に実現するかもしれないという。
■倫理か、技術革新か? 健康な体を本当に必要とする患者からの熱望
「それ(体)を取り戻したら、初めて健常者の目線になれるんだ」――。
そう語るのは、今回一連の頭部移植手術に施術希望者として名乗り出ているロシア人コンピュータ学者のヴァレリー・スピリドノフ氏(30歳)。ウェルドニッヒ・ホフマン病といわれる脊髄中の運動神経細胞が異常を起こす遺伝性の難病に生まれながらにして苦しむ彼には、筋萎縮による手足の筋力低下、身体動作困難などの症状がある。具体的な治療法が確立されていないこの重い病をなんとしてでも治療し、健全な体、そして人生を取り戻したいと切に願っていた。
そんな彼の元に頭部移植という一つの可能性を案内していたのがイタリア人神経外科医のセルジオ・カナヴェーロ氏。およそ2年前から連絡を取り合っていた彼らは、2017年12月、ついに事を実行に移す予定を組み始めたという。
この2年という期間は手術の計画を綿密に思案、準備するのに最低限必要な年月であり、99%成功する確信があるとスピリノドフ氏は語っている。
現時点で公開されている手術に関する詳細についてだが、当該手術は最大で36時間を要し、また一度切り離してから結合されるまで、スピリドノフ氏の頭部細胞の無酸素状態での生存可能時間を延長させるために、ドナーの体同様に冷却する必要があるとのことだ。
「私の人生においても重要なことを始めようとしている。ひとつ感じることがあるとすれば、心地よい焦りのようなものだよ」と語るスピリノドフ氏。
イメージすると、頭と体を切り離し別の個体とつなぎ合わせることなど、それも自ら志願して自分の体を差し出すなど考えられない奇行のようにも思えるが、それは治療法のない不治の病に苦しんだことのない私たちだからこその考えなのかもしれない。もしあなたが彼の立場なら? ――他者の意見や倫理感よりも、生きたいと願う人間としての心からの思いが先立っても間違いではないのではないだろうか。
(文=ODACHIN)
参考:「FOX News」、「Discovery News」ほか
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