シベリアで子どもの“氷漬けミイラ”が発見される! 内臓がバッチリ残存した解剖結果に専門家驚愕!
真っ黒にすすけたような、一見すると何やらホラー映画に出てきそうな謎の物体――。実は北極圏で発見された、800年前の中世のミイラなのである。
■中世の子どもの冷凍ミイラが発見される
まだ小児のものと推測されるこのミイラはシベリアの極寒の中で自然に凍りついたために、人工的にミイラ化されたものとは異なり、体の臓器などが取り出された形跡もない。
ミイラは推定年齢およそ6~7歳の男子で、モスクワから2000キロ北東に向かったシベリア地方の中心都市・サレハルドにある古代の墓地で、シラカバの樹皮と銅でできたシートに覆われた状態で埋葬されているのが見つかった。
専門家らはミイラをまるで手術するかのように丁寧に解剖を行い、このミイラはどういった部族に属していたのか、また当時の生活や埋葬習慣など詳細について調べている。
シベリア西部のチュメニにある研究機関の調査員セルゲイ・スレプシェンコ氏は「注目すべきはミイラが自然に保存され、かつ臓器が取り除かれていなかった点です」と語る。
そのためミイラの体内組織をサンプリングして内蔵を徹底調査することが可能で、中世当時の生活状況やどんなものを摂取していたかなどかなり明確に解明できるという。
例えば腸を分析した結果、当時の子どもたちが(おそらく生の魚を食べる食習慣による)寄生虫に悩まされていたことが判明しており、また既にコンピュータ断層撮影で取得した顔面と頭部の骨のデータをもとにした顔の復元も行われている。
同墓地では以前、別の青年のミイラも発見されていたが、やはりミイラ化しており保存状態の良い骨盤部分があったため、腸や膀胱などのサンプルを入手した経緯もある。この青年のミイラについても現在さらに分析が進められている。
■現地の人々のDNA解析も同時進行
ミイラのほかにも、鉄製の斧や青銅のネックレスなどの装飾品も見つかっている。
どの部族に属したのかについてはいまだ不明なものの、考古学的見地からは青銅器も同時に発見されている点から、北極圏から南西へ3700マイル離れたペルシャとの関連性が示唆されており、この地がペルシャとつながりのある文明を持っていたという証拠になると考えられているようだ。
ちなみに現地の旧家は口述で歴史を伝承している家も多く、先祖について代々詳細を知っているのも珍しくないらしい。
「祖先は700年前にこの地に辿り着いた時に川で溺れたところを助けてもらったんだよ……」と、まるで最近の出来事のように家族で何代もわたって語り継がれているケースもあるほどで、現地に住む人々は自分たちのルーツを知ろうと、血液提供に協力的だ。
調査チームは現在住んでいる人々の遺伝子サンプルを集めて、発見されたミイラの男の子と因果関係があるかどうか、口述伝承の歴史と科学的なDNA解析を並行して行い、結果を照らし合わせたいとしている。
最先端技術とレトロな伝聞を組み合わせるとはなかなか興味深い試みだが、はてさてどこまで解明されるか楽しみである。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」、「Siberian Times」、ほか
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