オックスフォード大学の入試問題5例、あなたは解ける? 日本の大学の比にならない難度に驚愕!
質問:誰かを非難するということはどういうことか正確に考えなさい。(哲学・政治および経済学科)
セント・アンズ・カレッジの面接官イアン・フィリップ氏によれば、この質問には答えがない代わりに、例や提案を創造して提示できるかどうかを見ることができるという。多くの学生は非難する人間と非難される人間の例をあげながら理論を展開していくが、その中でも独自の理論を提案し、そしてさらに批判的な視点で自分の提案の反例を提示できるような学生を高く評価しているという。
質問:ハシゴが壁に立てかけてある。ハシゴの段はそれぞれ違う色に塗り分けられていて、横から見ることができる。このハシゴが地面に倒れた時、それぞれの段はどういった軌跡を描くか?(数学科)
クライスト・チャーチ・カレッジのレベッカ・コットン=バレットさんによれば、数学の口述試験では、具体的な事象から抽象的な理論を導けるかどうかが合格の鍵になるという。倒れてゆくハシゴを段階に分けて図にしていけば、軌跡は4分の1の円弧を描き、三平方の定理を利用して簡単にその数値を知ることができるが、そこからどういった数学的な抽象論を導き出していくかを見ているということである。
質問:IQテストの結果調査では、兄弟姉妹でテストを受けた際に多くの場合年長者のほうが高いIQを示している。どうしてこういう結果になるかを考えなさい。(臨床心理学科)
セント・アン・カレッジのケイト・ワトキンさんによれば、この問いからいかに多くの心理学の要素を捉えることができるかを見ているという。口述試験中に面接官がさまざまな要素や、条件などを次々と提示していき、それを踏まえてどういった回答をしていくかが判断基準になる。
自分が導き出した回答に、科学的、論理的な理由付けがなされ、仮説を検証し結論にたどり着くことができる受験者が合格に近いということになる。この質問にも正答はなく、重要なことは、いかに科学的な態度で仮説を導き出したかということである。
どの学科においても、正しい答えを導き出すことが合格の必要条件ではなく、そこに至るまでの過程を重視しているように感じる。日本の入試では、より早く、より正確に正答にたどり着くことが絶対の正義であるが、どうやらオックスフォード大学ではそうではないらしい。どちらの入試システムがよくて、どちらが悪いというものでもなく、東大生とオックスフォード大生のどちらが頭がいいかと比較をしても仕方がないのであろう。単に“違う”だけなのか、特別な意味を有するのか――。何年、何十年か先にそこで学んだ学生たちがどうなっているかで判断するしかないのかもしれない。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊オックスフォード大学の入試問題5例、あなたは解ける? 日本の大学の比にならない難度に驚愕!のページです。受験、教育、高夏五道、入試、オックスフォード大学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで