イタリアの地震は「ユネスコ決議への報い」だった? イスラエルとイタリア副首相の“謎の会談”が憶測呼ぶ

イタリアの地震は「ユネスコ決議への報い」だった? イスラエルとイタリア副首相の謎の会談が憶測呼ぶの画像1画像は「The Daily Mail」より引用

 10月30日、イタリア中部マルケ州とウンブリア州付近を震源としてM6.6の巨大地震が発生した。同地域では、10月26日にも大きな地震が相次いで起きている。現段階では、建物の被害はあっても幸いなことに犠牲者は出ていない模様だ。

 実は、この一連の地震について世界の陰謀論者の間では「イスラエルが計画した人工地震ではないか?」という噂が流れ始めているようだ。ことの発端は、今回の地震についてイスラエルのカラ副大臣が発した“不気味な一言”にある。なんと副大臣は、イタリアに対してお悔やみを述べるどころか「地震は『ユネスコ決議』への報いだ」と発言したのである。では、その背景について考察してみよう。


■聖地呼称問題をめぐってトラブル

 10月18日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の執行理事会(理事国58カ国)で、ある決議案が賛成多数で採決された。これは、エルサレム旧市内にある「神殿の丘」というユダヤ教・イスラム教の聖地を、イスラム名の「ハラム・アッシャリフ」と呼ぶことにするという決議だ。

 この聖地呼称問題をめぐっては、ユダヤ教・イスラム教の両教徒が衝突を繰り返してきた経緯があり、今回の決議案はアラブ諸国が提出した。そして10月13日に執行委員会の下部組織による採決を経て、18日に正式承認された。

 今回の決議が正式承認された背景には、パレスチナの国連加盟に対する期待感がある。イタリア、ロシアや中国は賛成に回り、反対した国はアメリカやイギリスなど6カ国、そして棄権は26カ国だった。もちろん、この決議に関してイスラエルと多くのユダヤ教徒たちは激怒している。米国に本部を置く「世界ユダヤ人協会」のロナルド・ラウダ―会長は、ドイツの高級紙「ツァイト」に対して次のように語り、採決の撤回を強く要求している。

「ユネスコの決議は『神殿の丘』のユダヤ教的性格を完全に無視したものだ。『神殿の丘』はキリスト教が生まれる前、さらにイスラム教が出てくる前からユダヤ民族の聖地だった。その事実を否定することはホロコーストを否定するのと同じ反ユダヤ主義的行為だ」

 また、イスラエル文部省も10月14日、決議採択に抗議してユネスコとの協力を一時停止するとの声明を発表した。そして同国のネタニヤフ首相も、強い憤りを表明している。

「イスラエルと神殿の丘を結びつけない記述は、中国と万里の長城を結びつけないようなものだ。今回のばかげた決議により、ユネスコにわずかに残されていた正統性は失われた」(ネタニヤフ首相)

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