世界初、LSDが「高次の意識状態」を生み出していることが脳科学で判明!キマッている時は無我の境地か!?

 LSDなどの幻覚剤が「高次の意識状態」を生み出していることが科学的に初めて立証されたとのニュースが舞い込んできた。「高次の意識状態」とは一体何なのだろうか?


■幻覚剤で「高次の意識状態」を実現

 1960年代、当時の米大統領リチャード・ニクソンから「全米一危険な男」と言われたティモシー・リアリーなど、いわゆる“LSDグル”たちは、幻覚剤を摂取することで“高次の意識状態”に至ることができると盛んに喧伝してきた。特に米国におけるLSDの需要は高く、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなどの天才的経営者らもかつて愛用していたことで知られている。ジョブズに至っては、LSD体験を「人生で2、3回あった最も重要な事の1つ」と語っているほどだ。しかし、近年に至るまで科学のメインストリームでは、幻覚剤による意識の変容は“神話”として真剣に扱われてこなかったという。

 だがこの度、LSD、ケタミン(麻酔薬)、シロシビン(マジックマッシュルームに含有される成分)といった幻覚剤を摂取した被験者の脳に活発な活動が見られることが、英ロンドン大学とサセックス大学の研究で明らかになった。英高級紙「The Guardian」(4月19日付)が報じている。

世界初、LSDが「高次の意識状態」を生み出していることが脳科学で判明!キマッている時は無我の境地か!?の画像1(左から)シロシビン、ケタミン、LSD服用時の脳の活動「Daily Mail」より引用

 先行研究では、睡眠、麻酔、植物状態など意識レベルが弱くなる際には脳内シグナルの多様性が減少することが分かっていたが、幻覚剤による脳の変化を捉えたのはこれが初めてだという。

「今回の研究で、幻覚剤を摂取した人の脳は通常と大きく違う反応を示すことが分かりました」(研究チームのアナイル・セス氏)
「幻覚剤が効いている状態では、脳の電気活動が通常よりもランダムで統一されていませんでした」(同)

 脳スキャンでは、これらの薬物が知覚に関わる脳の部分に強く働きかけていることが分かったそうだ。このことが意識作用をどう変えているかは実際に経験してみないことには理解できないが、被験者からは意識の拡張や洞察力の向上を経験したとの報告があったという。

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